ヤギを用い、反芻家畜が動揺病を経験する、すなわち悪心(吐き気)を経験する可能性について検討した。①の実験では、トラック輸送に対するヤギの脳幹の反応を検討した。輸送により、弧束核が反応することが分かった。②の実験では、ヒトに悪心と嘔吐をもたらす催吐剤シスプラチン(以下CisP)の効果を検討した。CisP投与により、約100分後にヤギは、伏臥位姿勢を取り、ヒトが採血のために体に触れても立ち上がらない状態となった。この反応は、顕著な血中コルチゾル濃度の増加を伴い、強いストレスを伴うことが分かった。これらのことから、ヤギは輸送やCisP投与によって悪心を経験している可能性が考えられた。
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