ウシおよびブタ筋肉に含まれる核酸関連物質を分析し、遅筋型筋肉は速筋型筋肉よりもイノシン酸含量が有意に低いことを明らかにした。また、と畜後の乳酸含量は遅筋型筋肉で少なく、そのため筋肉の最終pHに違いのあることを明らかにした。遅筋型筋肉は速筋型筋肉よりもと畜後のpHが高く維持されるため、ATP分解反応が促進し、イノシン酸含量が低くなったものと考えられた。一方、ブタ大腰筋より単離した筋線維について分析すると、筋線維型とイノシン酸含量に有意な関係が認められなかった。単一の筋肉内では貯蔵期間中にpHが平衡化し、結果としてイノシン酸を生成するATP分解反応に違いを生じさせなかったものと考えられた。
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