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2012 年度 実施状況報告書

ニワトリ胚の下垂体-甲状腺系フィードバック機構の成立機序に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 23580387
研究機関岐阜大学

研究代表者

岩澤 淳  岐阜大学, 応用生物科学部, 教授 (90242742)

キーワード代謝・内分泌制御 / ニワトリ / 甲状腺刺激ホルモン / 甲状腺ホルモン
研究概要

ニワトリ胚の視床下部-下垂体-甲状腺軸を研究対象として,この軸の構成要素が,発生過程のどの時期から機能するのかを,特に下垂体と甲状腺に注目して,主に分子生物学的手法と組織化学的手法を用いて明らかにすることを目的に,二年度目の研究を行った。下垂体については,前年度の結果を受け,前葉から分泌されるTSH(甲状腺刺激ホルモン)の,酵素免疫測定法を用いた血中濃度測定法に関して,抗体標識に用いる酵素と基質を工夫することにより,昨年度の成果よりも2倍程度高感度に測定することができた。測定には100マイクロリッター程度の血液が必要であり,採血できる血液量が少ない胚期では,数個体の血液をプールして用いる必要があった。また,下垂体前葉におけるTSH(βサブユニット)の胚期における変動をリアルタイムPCRで定量した結果,孵化に向かって急激な上昇を示すことがわかった。次に,甲状腺については,特異的因子であるTSHレセプター,NIS(ヨウ素輸送体),チログロブリン,甲状腺ペルオキシダーゼ,甲状腺特異的転写因子について,昨年度に引き続いてリアルタイムPCRおよびin situ hybridizationで検出を試みた。その結果,チログロブリンは孵化に向かって増加を続けるのに対し,他の因子は増加傾向にはあるが,孵卵中の時期により変動が認められた。これらの因子に対する特異的抗体を作成し,性質の検討を行った。また,甲状腺ホルモンが機能するには末梢組織での3種類の脱ヨード酵素の働きが不可欠のため,リアルタイムPCRを用いて孵卵中におけるこれらの酵素遺伝子の発現状況を調べた。その結果,生殖腺など,臓器によっては血中甲状腺ホルモン濃度の変化と一致しない場合があり,これは甲状腺ホルモンの血中濃度にかかわらず,当該組織で作用する甲状腺ホルモン濃度を調節するしくみではないかと考えられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

前年度に予定していて予備的検討に終わったin situ hybridizationについて,今年度に本実験を行った。また,TSHの血中ホルモン濃度定量法について,感度の改善を行った。その他,今年度予定していたTSHのリアルタイムPCRによる定量と甲状腺特異的因子に対する抗体作成を行い,おおむね計画通りに進行している。

今後の研究の推進方策

孵卵中のニワトリ胚の発生段階を追って,下垂体と甲状腺におけるホルモン,受容体,特異的タンパク質など,視床下部-下垂体-甲状腺軸が機能するために不可欠な因子の発現を検出・定量し,その発現順序を検討する。次年度は最終年度となるため,過去2カ年間の結果について,標準偏差が大きく再確認が必要と考えられた点などをチェックし,また,免疫組織化学による甲状腺特異的因子の検出を行う。これらの結果を総合的に考察し,本研究計画の結果をまとめる。

次年度の研究費の使用計画

次年度は前年度までの結果の再確認と免疫組織化学による甲状腺特異的因子の検出を行うため,主として免疫組織化学用の試薬,プラスチック器具類,学会発表のための国内旅費に用いる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] ニワトリ胚の発生過程における甲状腺ホルモンの脱ヨード酵素の働き2012

    • 著者名/発表者名
      岩澤 淳
    • 学会等名
      日本動物学会中部支部大会
    • 発表場所
      みやま荘(松本市)
    • 年月日
      20121117-20121118

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公開日: 2014-07-24  

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