ニワトリの1週齢の雄ヒヨコを用いて、3M NaCl溶液を腹腔内に投与し、高浸透圧状態にし、鳥類の抗利尿ホルモンであるアルギニンバソトシン(AVT)遺伝子発現が増加する時に、脳内での浸透圧受容器として水チャネル(アクアポリン、AQP)1が候補として可能性があるかどうか検討した。その結果、浸透圧刺激後に、視床下部におけるAQP1遺伝子発現が増加することが明らかになった。また、AQP1の脳内局在性を免疫組織化学により検討すると、commisura palli の周囲にAQP1陽性の細胞体が観察された。AQP1の遺伝子発現は、どのような機構で発現調節されているのか、また浸透圧受容器との関係についてはまだ不明であり、この点についての今後の継続した研究が必要である。
|