研究課題
免疫抑制機構の解析Tp53の組換えタンパク質のマクロファージ、またはTh17型およびTh1型の免疫反応に与える影響を解析した。マクロファージ細胞株にTp53を投与すると、IL-6の産生は抑制され、脾細胞のIFN-γ、IL-17およびIL-4産生量も抑制された。また、マウス腹腔内マクロファージのM1マクロファージマーカーであるIL-6およびTNF-αの発現も抑制された。一方、マウスの腹腔内にTp53を投与した後に採取した脾細胞のIFNγ、 IL-17産生量はTp53投与により低下し、IL-4も低下傾向を示した。以上のような結果から、Tp53はマクロファージからのIL-6などの炎症性サイトカインの産生を抑制して、Th17細胞およびTh1細胞などからのサイトカイン産生を抑制すると考えられた。また、樹状細胞に対するTp53の影響を解析した結果、Tp53はIL-12の産生を抑制し、IL-10産生を増強した。一方、樹状細胞とT細胞を混合培養し、T細胞の増殖に対するTp53の影響を検討した結果、Tp53の投与により増殖は増強され、IL-4およびIL-10産生も増強されるが、IFNγ産生量は低下した。構造生物学的解析組換えタンパク質のアフィニティー精製に、イオン交換による精製を加えた。その結果、極めて高純度の組換えタンパク質の精製に成功した。しかし、このタンパク質を用いても結晶化は認められなかった。そこで、Tp53を種々のタンパク質分解酵素で部分消化し、消化に抵抗性を示すドメインをアミノ酸シークエンスで、アミノ酸配列を決定して低分子化し、大腸菌で発現させる試みを行った。現在、部分消化の検討中であるが、高次構造を正しくとっているTp53タンパク質の一部分のDNA配列を発現ベクターに組込みタンパク質の発現、精製、結晶化を試みる予定である。
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