地球温暖化による気温の上昇は暑熱ストレスとして家畜・家禽の摂食行動を抑制するが、その詳細は不明である。よって本研究は、暑熱ストレス負荷時におけるニワトリの摂食行動抑制の脳内メカニズムの一端を解明することを目的とした。 まず室傍核に局在する副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン (CRH)またはアルギニンバゾトシン(AVT)の阻害剤を側脳室へ投与することにより、暑熱による摂食抑制が緩和された。また暑熱により神経活動の指標であるc-Fosの発現が視索前野および室傍核で観察された。よって、暑熱時におけるニワトリの摂食抑制に関与する神経伝達物質は室傍核に局在するCRHおよびAVTであることが示唆された。
|