キンカチョウの鼻腔と嗅上皮の形態学的特性を解析した。また、行動観察でこのトリの餌好選性の有無、ニオイによる嫌悪学習試験の可能性を解析した。その結果、(a)他のスズメ目と同様に左右独立した1対の嗅神経束が存在し嗅球は左右区別のない単一嗅球であることが確認された。さらに (b)鼻腔の構造は単純である、(c)鼻腔の最後部に嗅上皮が存在する、(d)嗅上皮は嗅細胞、支持細胞、基底細胞で構成されている、(e)線毛と微絨毛を共存する嗅細胞が存在する、などを確認した。(f) ニオイ情報による嫌悪学習試験の成立は確認出来なかった。本研究によって、キンカチョウの嗅覚系の形態学的基盤を明らかにすることが出来た。
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