研究課題/領域番号 |
23580445
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
笹井 和美 大阪府立大学, 生命環境科学研究科(系), 教授 (70211935)
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研究分担者 |
谷 浩行 大阪府立大学, 生命環境科学研究科(系), 准教授 (00305658)
古家 優 大阪府立大学, 生命環境科学研究科(系), 助教 (30500706)
松林 誠 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 動物衛生研究所, 研究員 (00321076)
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キーワード | Cryptosporidium / apical complex / Elongation factor 1α / chicken mAB |
研究概要 |
アピコンプレックス門に属する原虫は、脊椎動物に感染する偏性細胞内寄生虫である。 すべてのアピコンプレックス門に属する原虫は宿主細胞侵入型虫体にアピカルコンプレックスを所有し、アピカルコンプレックスは原虫の前端に位置し、宿主細胞侵入に関与している。以前、我々は、E. acervulinaスポロゾイトの先端の細胞骨格に位置する抗原を特異的に認識する鶏型モノクローナル抗体を(mAB, 6D-12-G10)を作製した。このmABが認識する抗原は、他のアイメリア属spp.、トキソプラズマ、Neosporaとクリプトスポリジウムを含むApicomplexan寄生虫の間で保存されされていた。本研究において、我々はCryptosppridium parvumの先端の細胞骨格抗原を特定して、クリプトスポリジウム症に対する標的分子としてその可能性を評価した。間接免疫蛍光法において6D-12-G10抗体のC. parvumスポロゾイトに対する反応性と抗β-と抗-γ-チューブリン抗体のそれらと類似していた。免疫電子顕微鏡法による観察において、6D-12-G10 mAbによりアピカル領域の表面と内膜の下に抗原を検出した。6D-12-G10 mAbは、C. parvumの宿主細胞への浸入を有意に阻害した。トリプシンペプチドのMALDI-TOF/MSとLC-MS/MS分析で、mAb 6D-12-G10目標抗原がelongation factor-1α(EF-1α)であることが判明した。 これらの結果から、C. parvum EF-1αが寄生虫による宿主細胞侵入に重要な役割を演じている可能性が示唆された。よって6D-12-G10抗体が認識する抗原が、クリプトスポリジウム症に対するワクチン候補となりうる抗原である可能性が示唆された。。
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