研究課題
25年度研究計画では、高ケトン血症の乳牛における免疫状態について、ならびに妊娠免疫に関する研究に着手した。高ケトン体血症牛の妊娠免疫の解析を目的に、同一牧場にて飼育された乳牛34頭を対象とし、分娩3週後において血中BHB濃度が1200μmol/l以上で臨床症状を示さなかった牛であるsubclinical ketosis(SK)群と1200μmol/l未満である対照群を供試した。血液の採材は、分娩予定の3週(W)前、1W前、そして分娩した3W後、7W後の計4回実施した。SK群のγδT細胞は観察期間中、対照群に比べて低値で推移し、1W前と3W後において有意差を認めた。SK群では繁殖適期となる7W後においてIL-17遺伝子発現量が上昇した。7W後のSK群のIL-4、IL-17ならびにTNF-α遺伝子発現量が対照群に比べ高かった。しかし、γδT細胞数とサイトカイン遺伝子発現量とには統計的に有意な相関性は得られなかった。さらに繁殖適期の乳牛における受胎の成立と単核球のP4刺激によるサイトカインならびにケモカインの反応を明らかにする目的で、繁殖適期である分娩後90前後の乳牛を対象にホルモン製剤によって性サイクルを同期化して、末梢血単核球の遺伝子発現量を観察した。観察した24頭のうち受胎した個体と受胎しなかった個体とに区分して成績を比較した。受胎群のP4刺激によるIL-4、ならびにCCR4遺伝子発現量は対照群に比べ観察期間を通じて高かった。また不受胎群ではγδT細胞数が低値で推移した。
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Int. J. Anim. Vet. Adv.
巻: 6 ページ: -
Acta Veterinaria Brno.
巻: 83 ページ: -
10.2754/avb201483020000