研究課題
昨年度、ヤギの下痢便から抽出した核酸を用いて、次世代シーケンサーにより新規エンテロウイルス様の核酸を検出したことを報告した。今年度は次世代シーケンサーで得られた塩基配列をもとに、5’非翻訳領域でPCR用のプライマーを設計した(PCR産物は650bpに設定)。RT-PCRを実施したところ、ヤギ検体G1(次世代シーケンサー陽性)からバンドが得られたが、G2(次世代シーケンサー陰性)からはバンドが得られなかった。G1のバンドを切り出してダイレクトシーケンスをおこなったところ、過去にヤギから検出されたヒツジのエンテロウイルスに近縁であるが、新しいエンテロウイルスであることが確認された。ヤギのエンテロウイルスの報告は日本では初めてである。次世代シーケンサーで得られた遺伝子配列が少ないために、この新しいウイルスのゲノム全長を明らかにできなかった。そこで、下痢便からウイルス分離を試みた。細胞傷害を観察できたのでRT-PCRをおこなったところ、ウイルスが増殖していることが明らかになった。今後は、次世代シーケンサーを用いた全ゲノム解析を行う予定である。
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Virus Genes
巻: Inpress ページ: Inpress
0920-8569