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2011 年度 実施状況報告書

いや地回避技術法である活性炭によるアレロパシー物質の吸着機構と土壌微生物群の関係

研究課題

研究課題/領域番号 23580457
研究機関鳥取大学

研究代表者

西原 英治  鳥取大学, 農学部, 准教授 (40452544)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワード活性炭
研究概要

活性炭施用はいや地回避技術として、現場に普及されてきているが、土壌中における活性炭がいや地現象の原因の1つであるアレロパシー物質の吸着および破過点になる年数に関して不明な点が多い。そこで、土壌微生物群の関与も含めそれらを解明し、今後のカーボンマイナス資材としての活性炭の農業分野への適用の可能性を検討する。 23年度は、活性炭と土壌微生物群の関係を明らかにするためにmicrocosm試験をアスパラガス連作土の有無で作成し、実験する予定であった。しかし、当初の処理区よりもかなり多くを設ける必要が生じたため、実験開始が昨年度の3月末になってしまった。このため、23年度は、24年度に行う予定であったアスパラガスの連作障害で普及しているヤシガラ系活性炭を含む13種類の活性炭の物理・化学性特性を先に評価した。 この結果、ヤシガラ系活性炭の比表面積および総孔容量はそれぞれ956m2/g、0.458cc/gで他の12種に比べて最も小さかった。ミクロ孔表面積および孔容積はそれぞれ867m2/g、0.348cc/gでソラマメやモモの連作障害回避で用いている木質系活性炭に比べて若干大きいことも明らかとなった。一方、メソ孔表面積および孔容積は、それぞれ83 m2/g、0.09 cc/gで上記の木質系の223~348 m2/g、0.28~0.445 cc/gに比べて明らかに劣り、ミクロ孔以外の表面積(メソ孔+マクロ孔)も89 m2/gと他の活性炭に比べて明らかに小さい値であった。ヨウ素吸着性能、MB脱色性能およびミクロ孔直径は、活性炭種による差はあまり認められなかった。細孔分布において細孔幅が0.400nm以下の分布が多いのは、木質系であることが明らかとなった。 このことから、土壌へ混和する活性炭種と破過点の関係では、マクロ孔とメソ孔表面積と細孔分布の違いが大きく影響している可能性が考えられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

23年度に1年目の成果を得る予定であったmicrocosm試験の開始時期が遅れたため、未だ成果が出ていない。しかし、24年度に行う試験を23年度に行い成果を得たのである程度は研究の目的どおり遂行し、達成していると考える。

今後の研究の推進方策

本年度は、23年度の始めから行う予定であったmicrocosm試験の1年目の成果をまとめる。最終年度の25年度には長期microcosm試験による土壌微生物群の関与と活性炭のアレロパシー吸着メカニズムおよび活性炭自身の破過点の関係を明らかにする予定である。

次年度の研究費の使用計画

23年度の始めから行う予定であったmicrocosm試験の開始が処理区設定の変更に伴い大きく遅れてしまったため本研究費が4万円程度残ってしまった。そこで本年度は、microcosm試験による土壌採取からの活性炭の吸着評価および土壌微生物群の変動を評価するための変性剤濃度勾配ゲル電気泳動法(PCR-DGGE)の試薬等に経費を使用する予定である。さらに、活性炭の化学性特性の1部、つまりEPMA法を用いて推定無機成分の割合およびFTIR赤外分光分析による活性炭自身の特性を測定するための経費として用いる予定である。

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公開日: 2013-07-10  

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