研究課題/領域番号 |
23580469
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研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
堤 賢一 岩手大学, 農学部, 教授 (40113964)
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研究分担者 |
斎藤 靖史 岩手大学, 農学部, 准教授 (70287100)
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キーワード | リンドウ / 越冬芽 / 耐寒性 / 遺伝子多型 / 対立遺伝子不均等発現 / DNAメチル化 |
研究概要 |
本研究の目的は越冬芽の耐寒性低下と相関するW14/15遺伝子バリアントの機能、遺伝様式及びクロマチン構造を解析して越冬芽の耐寒機構を解明することである。平成24年度はW14/15遺伝子の遺伝様式およびシトシンメチル化レベルからみたクロマチン構造の解析を行った。 1.W14/15遺伝子の遺伝様式の解析 耐寒性低下アレルW14b2と通常アレルW15a’を持つF1の自殖から得たF2集団の遺伝子型-耐寒性相関を解析した結果、W14b2アレルは耐寒性低下にドミナントに働くことが確認された。 2.休眠前後でのクロマチン構造-発現量相関の解析 W14b2遺伝子およびW15a’遺伝子をそれぞれホモに持つ系統の各器官におけるシトシンメチル化状態を転写プロモーター領域を中心に解析した。この領域にはMADS box転写因子AGL2結合配列および転写因子Myb結合配列がある。両遺伝子とも葉など発現量の少ない器官では高度にメチル化されていた。休眠誘導前後(10月)、休眠時(11月)、休眠越冬時(12月)の越冬芽でのW15a”遺伝子のメチル化は11月が最も低く、プロモーター全領域が低メチル化状態であった。その後(12月)、低メチル化領域は狭まり、転写開始点上流(-)600~500 bp領域、-300~-200 bp領域(AGL2結合領域)およびmyb結合領域を含む-100~+50領域が低メチル化領域として残った。このメチル化の変化は転写量の変化と相関した。W14b2遺伝子も同様の領域が低メチル化状態であったが、その変化はW15a’遺伝子と少しずれ、11月の越冬芽よりも12月の方が低メチル化であった。両遺伝子間でクロマチン構造の変換時期が異なることから、対立遺伝子間不均等発現はそれぞれの対立遺伝子が異なる時間的制御を受けることによる現象であることが示唆された。両遺伝子をヘテロに持つ系統で確認を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
クロマチン構造(メチル化)変換の解析は多少遅れているがほぼ順調といえる。しかし、W14/15タンパク質の生化学的解析が思うように進行していないので全体としては③とした。理由は多数のバリアントタンパク質作成・変異導入に時間と労力を要すること、簡便なアッセイ系がないことである。
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今後の研究の推進方策 |
当初の計画どおりに研究を遂行するうえで特に障害や問題点はなくこのまま進める。分子遺伝学的な解析はほぼ順調に進んでいるが、生化学的な機能解析がやや遅れているので、今後これに重点をおきたい。
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次年度の研究費の使用計画 |
該当しない。
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