• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2013 年度 実績報告書

対立遺伝子間相互作用が関与する新しい耐寒性制御モデルの検証と機構解明

研究課題

研究課題/領域番号 23580469
研究機関岩手大学

研究代表者

堤 賢一  岩手大学, 農学部, 教授 (40113964)

研究分担者 斎藤 靖史  岩手大学, 農学部, 准教授 (70287100)
キーワードリンドウ / 越冬芽 / 越冬機構 / 耐寒性 / 対立遺伝子不均等発現 / DNAメチル化
研究概要

本研究の目的はリンドウ越冬芽の耐寒性低下と相関するW14/15遺伝子バリアントの機能、遺伝様式及びクロマチン構造を解析して越冬芽の耐寒・越冬機構を解明することである。平成25年度は1. W14/15遺伝子の機能解析、2. W14/15遺伝子の発現とクロマチン構造変換との相関についての解析を行ない、以下のことを明らかにした。
1. W14/15遺伝子の機能
前年度までの交配実験から、W15a型アレルが越冬生存に不可欠であること、W14b型は越冬率低下にドミナントに働くことが示唆されていた。今年度は本遺伝子の発現を抑制することにより機能を直接解析した。リンゴ小球形ウイルス(ALSV)ベクターを用いてW15a遺伝子の発現を抑制した個体について、越冬芽の形成率と越冬後(5℃以下、約4ヶ月)の生存率(萌芽率)を調べた。この解析から、W15a型の発現は越冬芽の形成には影響しないが、越冬生存に直接関与することを明らかにした。
2. W14/15遺伝子の発現とクロマチン構造変換との相関
W14b型が越冬率低下に働く理由を解明するために、越冬生存率の低い品種PW(W15a/W14b)と高い品種LA(W14a/W14b)で各対立遺伝子の発現を解析した。その結果、両品種間で萌芽期前後の各対立遺伝子の発現比が異なっていた。PWでは両対立遺伝子はほぼ均等に発現していたが、LAではW14b型対立遺伝子の発現はほとんどなかった。この実験から、W14b型アレルの発現が越冬率低下にドミナントに働くことを確認できた。対立遺伝子による発現の違いをクロマチン構造から解釈するために、昨年度に引き続きシトシンメチル化レベルを解析した。その結果、メチル化の高低レベルは時期により変化すること、対立遺伝子型によって変化の時期がずれることが判明し、これによりW14/15対立遺伝子が時期特異的に機能することが示唆された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2014

すべて 学会発表 (3件) 図書 (1件)

  • [学会発表] リンドウW14/15遺伝子は越冬芽の越冬生存に関与する2014

    • 著者名/発表者名
      山岸 紀子、日影 孝志、斎藤 靖史、堤 賢一
    • 学会等名
      日本育種学会第125回講演会
    • 発表場所
      東北大学川内キャンパス(仙台)
    • 年月日
      20140321-20140322
  • [学会発表] 野生リンドウのW14/15エステラ-ゼ遺伝子に見られる地理的変異2014

    • 著者名/発表者名
      高橋 由衣、千葉さくら、日影 孝志、久米 浩平、斎藤 靖史、堤 賢一
    • 学会等名
      日本育種学会第125回講演会
    • 発表場所
      東北大学川内キャンパス(仙台)
    • 年月日
      20140321-20140322
  • [学会発表] SVP-like flowering-related genes in Gentiana: structure and expression.2014

    • 著者名/発表者名
      ハニエ ビダディ、久米 浩平、若目田 圭佑、日影 孝志、斎藤 靖史、堤 賢一
    • 学会等名
      日本育種学会第125回講演会
    • 発表場所
      東北大学川内キャンパス(仙台)
    • 年月日
      20140321-20140322
  • [図書] Genes.JExpressed in the Overwinter Buds of Gentian (Gentiana spp.): Application to Taxonomic, Phylogenetic and Phylogeographical Analyses. in The Gentianaceae (Rybczynski J., Davey, M.R. and Mikula, A. eds.), vol 1 Characterization and Ecology, chapter 9.2014

    • 著者名/発表者名
      堤 賢一、日影 孝志
    • 総ページ数
      300 (未定)
    • 出版者
      Springer-Verlag, Heidelberg, Germany

URL: 

公開日: 2015-05-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi