研究課題/領域番号 |
23580474
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
一柳 剛 鳥取大学, 農学部, 准教授 (00302240)
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キーワード | Kdo / Conjugate / lipopolysaccharide / lipooligosaccharide / LPS / LOS |
研究概要 |
本研究は、ヒト抗体が認識するLPS/LOSの酸性内部コア糖鎖のエピトープ解析のための糖鎖プローブ合成を目指しており、その糖鎖ライブラリの構築を第1の目的としている。 本年度は、前年度に合成を達成した糖鎖を用いてビオチンおよび固相担体へのコンジュゲート化を検討した。その結果、Kdo単糖、2糖[Kdo(a2-4)Kdo, Kdo(a2-8)Kdo]および分岐3糖に対して、チオグリコール酸をスペーサーとして導入し、その後ビオチンおよびアガロースゲルに結合させることに成功した。これらはいずれも中~高収率で合成できた。 前年度確立したKdo中間体の合成経路について、各反応の反応条件の最適化を行い、マンノースから8段階収率で78%、グラム単位で合成可能な条件を確立した。2糖合成におけるグリコシル化反応では、収率選択性の改善をめざし検討を行ったが、供与体の構造に起因する副反応の抑制が困難であるため、水酸基の保護基を再検討する必要があることを明らかにした。この問題解決として、ラクトン環を有する新しい供与体の設計を行い、その合成を低収率ながら達成した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初の研究計画では本年度は合成糖鎖のコンジュゲート化が目標であった。精製と合成確認に時間がかかることが予想されたが、簡便に確認が取れた。またKdo単糖だけではなく、2糖、3糖のオリゴ糖鎖のコンジュゲートにも成功し、ヒト抗体の精製に着手できている。また合成経路における反応条件の最適化も行うことが出来た。 これらのことから、計画以上に研究は進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
本研究は当初の予定通りに遂行できていることから、推進方策については大きな変更を行わずに進めることとした。 合成糖鎖ライブラリについては、スケールアップを試み、現在保有の糖鎖4種類の量を100mg単位まで増やす。合わせて目標である5糖糖鎖の合成とコンジュゲート合成を行う。 これまでの研究成果の周知を図るために、Homepageを作成する。
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次年度の研究費の使用計画 |
該当なし
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