完全ヒト抗体を生産するために、ヒト細胞を用いた細胞融合について検討した。その結果、A4H12のようなTリンパ球系ヒト融合パートナーを用いて細胞融合することによって、細胞凝集を形成し、レチノイン酸によって抗体生産量が増強するヒト融合細胞株(ハイブリドーマ)を汎用的に作製できることが分かった。細胞融合には、ウシ胎児血清の品質が最も重要であった。 また、組み換え型の完全ヒト抗体の生産についても検討した。フルクトース(果糖)輸送体GLUT5と抗体の共発現システムをヒト細胞株SC-01MFPに導入した結果、フルクトース基本培地において従来のグルコース基本培地の約2倍の完全ヒト抗体の生産が可能であった。
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