アセチルコリン分解酵素阻害薬はアルツハイマー型認知症治療薬としての有効性が既に広く認められている。ステモフォリンは非常に強力なアセチルコリン分解酵素阻害活性を有することが明らかにされ、構造活性相関研究からその分子全体の骨格が活性に影響していることが判明している。網羅的な構造活性相関研究を行うには非常に込み入ったカゴ状構造を持つ分子全体を自由に改変できる技術を開発することが必要となる。そのために本研究は誘導体合成研究を志向した全合成研究を目的として研究を行った。その結果、興味深い環化反応を見いだすことに成功し、この結果を応用してステモフォリンの中心カゴ状骨格を構築することに成功した。
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