• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2012 年度 実施状況報告書

メタボリックシンドロームの予防・改善薬開発を目指した新規トリテルペン誘導体の創製

研究課題

研究課題/領域番号 23590010
研究機関崇城大学

研究代表者

池田 剛  崇城大学, 薬学部, 准教授 (80295138)

キーワードトリテルペノイド / マクロファージ / 泡沫化
研究概要

Ursolic acidを基盤とした化合物群の合成を行う一方で、天然由来化合物に更に有効な化合物がないか検討を行った。日本薬局方に収載されている生薬の中でも中国古書『神農本草経』にて、安全性の高い上薬及び中薬に位置づけられる約100種の生薬のMeOH抽出エキスについて抗泡沫化作用を評価した。その結果、ナツメ由来の2種類の生薬 (サンソウニン・タイソウ) エキスに、強い抗泡沫化作用が認められた。そこで、その活性本体を探索する目的で抗泡沫化化合物の分離を試みた。その結果、1種の新規化合物を含む12種のトリテルペノイドが単離された 。得られたトリテルペノイドついて抗泡沫化作用を検討したところ、全てのトリテルペノイドに作用が認められたため、これらトリテルペノイドがナツメ由来生薬に含まれる抗泡沫化化合物であることが示唆された。その中でもursane型のpomolic acid, pomonic acid及びoleanane型のoleanonic acidに特に強い作用が認められたことから、これらが活性本体であることが明らかとなった 。次に、これらトリテルペノイドの構造上の特徴について考察したところ、共通構造として28位のcarboxylic acidの存在が示唆された。そこで、トリテルペノイドの抗泡沫化作用における28位のcarboxylic acidの重要性を検討する目的で、28位にcarboxylic acid を有する3種のトリテルペノイド (pomonic acid, oleanonic acid, ursolic acid) について、28位を様々な官能基に置換した類縁体と抗泡沫化作用を比較した。その結果、抗泡沫化作用の顕著な低下が認められた。故に、トリテルペノイドの28位のcarboxylic acidが、抗泡沫化作用に重要な役割を果たしていることが明らかとなった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

研究代表者の異動により、研究基盤の立ち上げと整備に時間がかかった。また、当初予定していた大学院学生による生物活性試験のサポートが得られなかった為、細胞レベルの評価がまだ十分に行われていない状況である。

今後の研究の推進方策

ナツメとタイソウから得られた、ursolic acid 関連化合物である pomolic acid, pomonic acid及びoleanonic acidの泡沫化抑制メカニズムを解明するために、scavenger receptor A (SR-A) やacyl-CoA:cholesterol acyltransferase (ACAT) の発現及びACATの酵素活性に対する作用を検討する。
また、ursolic acid と同様に泡沫化の活性が認められているトリテルペノイド関連化合物であるトマト由来のtomatidineについては、大量調製が出来たことから、動物モデルでの検討も行っていく。

次年度の研究費の使用計画

消耗品は昨年度の使用量を参照して、反応試薬・溶媒に各年度10万円、NMR用重溶媒に5万円、分離用坦体(分取用HPLC)に20万円、TLCプレート(HILIC)に10万円、ガラス器具類に10万円、培養試薬(各種培地や血清等)・器具類に15万円を計上している。泡沫化試験([3H] oleate)とACAT阻害試験([14C] oleoyl-CoA)に用いるRI試薬は10万円を計上している。研究成果が論文になる平成25年度からは論文別刷り代を消耗品として請求する。旅費等の明細に関しては、25年度には国内の研究打合せ旅費と成果発表旅費を東京出張1回分5万円と試算して各1回申請している。謝金等の支出は英文校閲の費用、その他の支出は学会誌投稿料である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2013 2012 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Corosolic acid impairs tumor development and lung metastasis by inhibiting the immunosuppressive activity of myeloid-derived suppressor cells2013

    • 著者名/発表者名
      Horlad Hasita, Fujiwara Yukio, Takemura Kenichi, Ohnishi Koji, Ikeda Tsuyoshi, Tsukamoto Hirotake, Mizuta Hiroshi, Nishimura Yasuharu, Takeya Motohiro, Komohara Yoshihiro
    • 雑誌名

      Mol. Nutri. Food Res

      巻: 57 (6) ページ: 1-9

    • DOI

      10.1002/mnfr.201200610

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Garlicnins B1, C1, and D, from the fraction regulating macrophage activation of Allium sativum2012

    • 著者名/発表者名
      Nohara, Toshihiro; Kiyota, Yuka; Sakamoto, Toyonobu; Manabe, Hideyuki; Ono, Masateru; Ikeda, Tsuyoshi; Fujiwara, Yukio; Nakano, Daisuke; Kinjo, Junei
    • 雑誌名

      Chemical & Pharmaceutical Bulletin

      巻: 60 (6) ページ: 747-751

    • DOI

      10.1248/cpb.60.747

    • 査読あり
  • [学会発表] AGEs生成阻害物質の探索研究:イカリソウのCMA阻害活性成分について

    • 著者名/発表者名
      池田 剛、中嶋圭介、宮下裕幸、吉満 斉、藤原章雄、永井竜児
    • 学会等名
      日本薬学会第133年会
    • 発表場所
      横浜
  • [学会発表] トマトサポニンの研究

    • 著者名/発表者名
      野原稔弘、真鍋秀雪、池田 剛、村上光太郎、小野政輝
    • 学会等名
      日本薬学会第133年会
    • 発表場所
      横浜

URL: 

公開日: 2014-07-24  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi