生理活性物質汎用合成を指向した新規鉄塩触媒高効率不斉反応系の開発

2013 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 23590011
• 研究種目: 基盤研究(C)
• 配分区分: 基金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 化学系薬学
• 研究機関: 熊本大学
• 研究代表者: 松永 浩文 熊本大学, 大学院生命科学研究部, 准教授 (10274713)
• 研究期間 (年度): 2011 – 2013
• キーワード: 鉄 / 触媒 / エポキシ化 / 酸化 / 1,2-ジアミン / キラル合成子

研究概要

筆者は、医農薬品や触媒化学の分野で有用な光学活性1,2-ジアミン類の汎用性高いキラル合成子であるDMImを、安価で低毒性の塩化鉄由来の鉄触媒及び過酸化水素による2-イミダゾロンの酸化反応により簡便且つ効率的に大量合成できる方法を開発した。更に、キラル2-イミダゾロンの鉄触媒酸化反応による高ジアステレオ選択的DMIm構築法やジアステレオマー法を利用した光学分割法によるDMIm両体掌体の大量供給法の開拓にも成功した。キラル鉄触媒を利用したエナンチオ選択的酸化反応系についても検討し、trans-スチルベンではまだ萌芽的範疇ではあるものの従来のtrans型ジアミン系配位子よりも高い選択性を示した。

研究成果

• [雑誌論文] Highly Efficient Preparation of Both Enantiomers of Versatile Chiral Synthon for 1,2-Diamines via the Fe(III)-Catalyzed Oxidation of 2-Imidazolone (2014)
  • 著者名/発表者名: Matsunaga, H.; Eshita, I.; Tsunoda, S.; Ishimoto, N.; Ando, S.; Ishizuka, T.
  • 雑誌名: Heterocycles 巻: 88 (2) ページ: 1337-1353
  • DOI: 10.3987/COM-13-S(S)104
  • 査読あり
• [雑誌論文] A study of the various factors that affect the properties of Molecularly imprinted polymers (2013)
  • 著者名/発表者名: Yasuyama, T.; Matsunaga, H.; Ando, S.; Ishizuka, T.
  • 雑誌名: Chem. Pharm. Bull 巻: 61 (5) ページ: 546-550
  • DOI: 10.1248/cpb.c12-01044
  • 査読あり
• [雑誌論文] Syntheses of effectively-shielded N-heterocyclic carbene ligands (2013)
  • 著者名/発表者名: Ando, S.; Matsunaga, H.; Ishizuka, T.
  • 雑誌名: Tetrahedron 巻: 69 ページ: 1687-1693
  • DOI: 10.1016/j.tet.2012.12.036
  • 査読あり
• [雑誌論文] A Simple, Iron-catalyzed, Pyridine-assisted Hydrogen Peroxide Epoxidation System (2011)
  • 著者名/発表者名: Mingyu, J.; Matsunaga, H.; Ishizuka, T.
  • 雑誌名: Chem. Pharm. Bull 巻: 59 ページ: 799-801
  • DOI: 10.1248/cpb.59.799
  • 査読あり
• [学会発表] 配座固定cis-1,2-ジアミンを利用したアミン-チオウレア型触媒の創製と反応 (2013)
  • 著者名/発表者名: 松永浩文、田嶋大輔、川内哲郎、安藤眞、石塚忠男
  • 学会等名: 第39回反応と合成の進歩シンポジウム講演要旨集
  • 発表場所: 九州大学医学部百年講堂 (1P-68 (p.85))
  • 年月日: 20131105-06
• [学会発表] ビシクロ環を母核としたキラルカルベン配位子の合成と立体選択的アリル位アリール化反応への応用 (2013)
  • 著者名/発表者名: 安藤眞、松永浩文、石塚忠男
  • 学会等名: 第39回反応と合成の進歩シンポジウム講演要旨集1
  • 発表場所: 九州大学医学部百年講堂 (P-28 (p.45))
  • 年月日: 20131105-06
• [学会発表] 鉄触媒酸化反応を利用した1,2-ジアミンキラルシントン両体掌体効率合成法の開発 (2013)
  • 著者名/発表者名: 松永浩文、江下伊織、安藤眞、石塚忠男
  • 学会等名: 第43回複素環化学討論会講演要旨集
  • 発表場所: 長良川国際会議場(1P-04 (p.51))
  • 年月日: 20131017-19
• [学会発表] 配座固定cis-アミノチオウレア型有機触媒の創成と反応特性 (2012)
  • 著者名/発表者名: 田嶋大輔、川内哲郎、安藤眞、松永浩文、石塚忠男
  • 学会等名: 第29回日本薬学会九州支部大会講演要旨集
  • 発表場所: 熊本大学薬学部 (1C-03 (p.56))
  • 年月日: 20121208-09
• [学会発表] Molecularly imprinted polymerを利用した不斉合成反応の試み (2012)
  • 著者名/発表者名: 安山卓郎、松永浩文、安藤眞、石塚忠男
  • 学会等名: 第38回反応と合成の進歩シンポジウム講演要旨集
  • 発表場所: タワーホール船堀 (2P-34 (p.268))
  • 年月日: 20121105-06
• [学会発表] 効率的に立体遮蔽された含窒素複素環カルベン配位子の合成と特徴 (2012)
  • 著者名/発表者名: 安藤眞、松永浩文、石塚忠男
  • 学会等名: 第42回複素環化学討論会講演要旨集
  • 発表場所: 京都テルサ (2P-032 (p.149)
  • 年月日: 20121011-13
• [学会発表] 鉄触媒酸化反応を利用した1,2-ジアミンキラルシントン合成法の開発 (2012)
  • 著者名/発表者名: 江下伊織、松永浩文、石塚忠男
  • 学会等名: 日本薬学会第132年会講演要旨集
  • 発表場所: 北海道大学 (30P1-pm119)
  • 年月日: 20120329-31
• [学会発表] 不斉酸化反応を用いた1,2-ジアミン類キラルシントン効率合成法の開発と応用 (2011)
  • 著者名/発表者名: 江下伊織、松永浩文、石塚忠男
  • 学会等名: 第41回複素環化学討論会講演要旨集
  • 発表場所: 熊本市民会館 (1P-098 (p.211))
  • 年月日: 20111020-22
• [備考] 創薬基盤分子設計学
  • URL: http://yakko.pharm.kumamoto-u.ac.jp/