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2013 年度 実績報告書

抗腫瘍性サポニン類の完全化学合成と生物活性評価

研究課題

研究課題/領域番号 23590014
研究機関名古屋市立大学

研究代表者

中村 精一  名古屋市立大学, 薬学研究科(研究院), 教授 (90261320)

キーワードシラシロシドE-1 / サポニン / 抗腫瘍活性 / Lebelオレフィン化 / Ireland-Claisen転位 / ニトリルオキシド / 1,3-双極付加環化 / シクロプロパン化
研究概要

昨年度までにシラシロシドE-1のCDE環部に相当する化合物の立体選択的な合成を達成している。しかし、C20位へのメチル基の導入に課題を残したことから、合成の初期段階でC20位にエキソメチレンを導入するルートの開発を試みた。
文献既知化合物から6工程で調製したジアゾアルコールを基質としてRh触媒存在下O-H挿入反応を行った後、粗生成物にLebelらの方法を適用したところ、オレフィン化と同時に異性化が起こってα,β-不飽和エステルが生じた。この生成物を用いてIreland-Claisen転位を行うと、反応はいす形遷移状態を経て進行し、エステル化の後望みとする立体異性体がほぼ単一異性体として収率62%で得られることがわかった。エステルを2工程でアルデヒドに変換し、Henry反応、アセチル化を経る脱水、1,4-還元を行ってニトロアルケンに導いた。このニトロアルケンから向山法により発生させたニトリルオキシドの分子内1,3-双極付加環化反応は位置選択的に進行し、望みとする四環性化合物が収率97%で得られた。C-N二重結合をDIBALHで還元してから水素雰囲気下で酸化白金を作用させるとN-O結合の加水素分解と同時にC20位エキソメチレンの還元が起こり、4.3:1の立体選択性で望みの異性体を優先的に得ることができた。生じた第一級アミンをメチルカルバマートとして保護してからアルコールを酸化して得られるケトンをTFAで処理するとカルバマート部が脱離することを見出し、不要な窒素官能基を除去することができた。核間へのメチル基の立体選択的な導入は、C8位カルボニル基を還元して得られる水酸基を利用してシクロプロパン化を行った後に加水素分解を行うことで実現可能であった。最後にC8位を酸化して、完全に官能基化されたCDE環フラグメントの合成を完了することができた。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2014 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (5件)

  • [雑誌論文] Synthesis of Chiral Building Blocks for Oxygenated Terpenoids through a Simultaneous and Stereocontrolled Construction of Contiguous Quaternary Stereocenters by an Ireland-Claisen Rearrangement2014

    • 著者名/発表者名
      Akahori, Y.; Yamakoshi, H.; Sawayama, Y.; Hashimoto, S.; Nakamura, S.
    • 雑誌名

      The Journal of Organic Chemistry

      巻: 79 ページ: 720-735

    • DOI

      10.1021/jo402537u

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Stereoselective Synthesis of the CDE Ring System of Antitumor Saponin Scillascilloside E-12014

    • 著者名/発表者名
      Akahori, Y.; Yamakoshi, H.; Hashimoto, S.; Nakamura, S.
    • 雑誌名

      Organic Letters

      巻: 16 ページ: 2054-2057

    • DOI

      10.1021/ol500657f

    • 査読あり
  • [学会発表] 抗腫瘍性サポニン・シラシロシドE-1アグリコン部の合成研究

    • 著者名/発表者名
      赤堀禎紘,山越博幸,橋本俊一,中村精一
    • 学会等名
      第59回日本薬学会東海支部 総会・大会
    • 発表場所
      名城大学薬学部
  • [学会発表] 抗腫瘍性サポニン・シラシロシドE-1アグリコン部の合成研究

    • 著者名/発表者名
      赤堀禎紘,澤山侑季,山越博幸,橋本俊一,中村精一
    • 学会等名
      第55回天然有機化合物討論会
    • 発表場所
      同志社大学寒梅館
  • [学会発表] 二連続第四級不斉中心を含む酸化型テルペノイド合成中間体の立体制御合成

    • 著者名/発表者名
      赤堀禎紘,山越博幸,澤山侑季,橋本俊一,中村精一
    • 学会等名
      第39回反応と合成の進歩シンポジウム
    • 発表場所
      九州大学医学部百年講堂
  • [学会発表] Ireland-Claisen転位を用いた酸化型テルペノイド合成中間体の立体制御合成

    • 著者名/発表者名
      赤堀禎紘,澤山侑季,山越博幸,橋本俊一,中村精一
    • 学会等名
      日本薬学会第134年会
    • 発表場所
      熊本大学黒髪キャンパス
  • [学会発表] 抗腫瘍性サポニン・シラシロシドE-1CDE環部の立体選択的構築

    • 著者名/発表者名
      赤堀禎紘,山越博幸,橋本俊一,中村精一
    • 学会等名
      日本薬学会第134年会
    • 発表場所
      熊本大学黒髪キャンパス

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公開日: 2015-05-28  

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