研究概要 |
1、マイヤーレモンの機能性成分マイヤーレモンのフラボノイド eriocitrin、hesperidin、nobiletinの含量はウンシュウミカン、ネーブルオレンジに類似、narirutin、6,8-C-diglucosylapigenin、6,8-C-diglucosyldiosmetin、diosminの含量はユーレカレモンと類似していた。クマリン 5-geranyloxy-7-methoxycoumarin、8-geranyloxypsoralen、5-geranyloxypsoralenはユーレカレモンに特有に存在するが、マイヤーレモンには含まれていなかった。一方、5,7-dimethoxycoumarinはマイヤーレモンに特徴的に高含有であった。2、Citrus tachibana 果皮の二次代謝産物Citrus 属植物の乾燥果皮や果実は、古くから日本、韓国、中国において伝統的な薬として使用されてきている。今回、Citrus tachibana 果皮から9種のフラボノイドおよび3種のクマリンを単離し、各種スペクトルデータより構造を決定した。3、肥厚性瘢痕由来線維芽細胞の細胞増殖、IL-6、PAI-1に対するlapcholの抑制効果 Lapacholの肥厚性瘢痕由来線維芽細胞に対する薬理学的効果を検討したところ、lapacholは肥厚性瘢痕由来線維芽細胞の増殖を抑制し、PAI-1やコラーゲンのmRNAレベルを減少させ、さらにPAI-1とIL-6のタンパクレベルも低下させた。これらのことから、lapacholは、PAI-1およびコラーゲンの産生において転写の過程を抑制し、IL-6はmRNAレベルの低下が見られなかったことから翻訳以降の過程を抑制すると考えられた。
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