「誘起CD励起子法」をより汎用性の高い絶対配置決定法とすることを目指し、以下の結果を得た。1)ステロール類においても3位水酸基の絶対配置を一義的に決定できることを明らかとした。2)反応点を2つ有する新規CD発色試薬を合成し、キラル二級アルコールに適用したところ、得られたジエステル誘導体のCD強度は、モノエステル誘導体のCD強度の約2倍以上になることが分かった。3)天然物への応用として、D-, L-サイクロセリンへの適用を検討したところ、他のキラルアミンと同様に、R体であるD-サイクロセリンは、正の励起子カイラリティーを示し、S体であるL-サイクロセリンは、負の励起子カイラリティーを示した。
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