平成25年度は、平成24年度までに得られた成果、すなわち、(1) キラルイオン性リガンドを含む反応活性触媒をリサイクル使用する 繰り返し使用可能な触媒的水素移動型還元(RCATH)反応系において、生成物の化学収率・光学純度、そして再利用効率において、優れた反応の条件を見出すための検討を行った。そのために、種々の含窒素複素環の窒素原子が四級塩化された構造をもつ、新規キラルイオン性リガンドとなるイオン化合物を合成し、それらのCATH (RCATH) 反応系における、反応触媒としての活性を評価した。その結果、優れた環境調和型高効率的有機合成反応のとなる反応系を開発した。また、これら(1)および(2)の方法を薬学的に有用な化合物の合成、すなわち医薬品の薬理活性鏡像異性体の重要合成中間体となりうる、キラル2級アルコールの不斉合成に応用した。 これらの成果は、現在学術論文として公表するための、投稿準備中である。
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