研究概要 |
不斉1,4-付加反応によってβ-テトラアルキル不斉4級炭素を構築した基質のα位水素をSHMDSで引き抜き種々のアルデヒドと反応させた.その結果,電子吸引性あるいは中性のアルデヒドではアルドール後,脱オキサゾリジノンを伴ってラクトン化が進行し,主としてβ-ラクトン体が得られることを見いだした.アルドール反応条件下で一挙にβ-ラクトンが生じる現象は世界初の発見である.一方,電子供与性アルデヒドを用いるとアルドール体からの脱炭酸か起こり,オレフィン体が生成することも見いだした.最近,多様な生物活性を示すことで注目を集めている (+)-bakuchiol を不斉1,4-付加反応/アルドール反応(脱オキサゾリジノン,脱炭酸を伴う)の連続反応を鍵とするルートで,ゲラン酸からわずか 4 段階という短工程で全合成することに成功した.
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