• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2012 年度 実施状況報告書

筋ジストロフィーの治療法開発を目指した発症メカニズムの解明研究

研究課題

研究課題/領域番号 23590036
研究機関公益財団法人野口研究所

研究代表者

大隅 賢二  公益財団法人野口研究所, 研究部, 研究員 (90203778)

キーワード筋ジストロフィー / ラミニン / オリゴ糖
研究概要

筋ジストロフィーは、筋細胞膜上の糖タンパク質と細胞外マトリックスとの相互作用が失われることによって発症する。本研究開始当初、この相互作用に関与する糖鎖として二種類の構造が提唱されていた。また研究代表者は、それらの一方の糖鎖調製に成功していた。そこで本研究では相互作用に関与する糖鎖構造を明らかにする目的で、以下4項目について検討している。1、もう一種類の糖鎖であるリン酸化O-マンノース型糖鎖の合成ルートの確立。2、糖鎖と細胞外マトリックスとの相互作用解析法の開発。3、二種類の糖鎖と細胞外マトリックスとの相互作用の比較による、筋ジストロフィー発症に関与する糖鎖の特定。4、治療薬開発に貢献するための糖鎖の提供。
平成24年度は、平成23年度に確立した合成法を用いてO-マンノース型糖鎖の調製を行った。この検討過程において得られた研究成果については、日本薬学会第133年会において報告した。さらに前述の項目2の予備実験として、糖鎖-レクチン間の相互作用解析法について検討し、マイクロプレートを用いる手法が利用可能であることを明らかにした。この研究成果については、日本ケミカルバイオロジー学会第7回年会において報告した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成24年度の研究計画では、以下の2項目を目的とした。1、リン酸化O-マンノース型糖鎖の量的な調製。2、糖鎖-レクチン間の相互作用解析法の開発。項目1については、平成23年度に確立した手法を用いて目的のリン酸化O-マンノース型糖鎖を調製することに成功した。合成した糖鎖には、マイクロプレートへの固定化や蛍光標識化に利用可能なアジド基を導入した。項目2については、前年度に開発したマイクロプレートを用いる手法が糖鎖-細胞外マトリックス間の相互作用解析に有効であることが示唆された。以上の結果より、当初計画した内容をほぼ達成することができたと考えている。

今後の研究の推進方策

当初計画した通り、平成25年度はこれまでに開発したマイクロプレートを利用した相互作用解析法によって、合成したO-マンノース型糖鎖とラミニンとの相互作用解析を行う。具体的には合成糖鎖の固定化方法、プレートの種類、ブロッキング試薬などについて検討し、ラミニンとの相互作用解析に適した条件を探索する。引き続き、最適化した条件下でラミニンと相互作用する糖鎖の構造に関する知見を得る予定である。研究成果については、学術雑誌への投稿、及び学会(日本薬学会第134年会)において報告する。

次年度の研究費の使用計画

本研究計画を実施するため、物品費についてはO-マンノース型糖鎖の追加調製に用いる試薬類、ガラス器具などの購入費用として、また糖鎖とラミニンとの相互作用解析に用いる器具、試薬類の購入費用として使用する。研究成果を社会・国民に発信するため、旅費を国内学会(日本薬学会第134年会)における発表のための費用として使用し、人件費・謝金を論文校閲費用として使用する。また、その他の費用を学会誌投稿料として使用する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2013 2012

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] O-マンノース型糖鎖の生合成に係わる基質合成2013

    • 著者名/発表者名
      大隅賢二、弘瀬友理子、水野真盛
    • 学会等名
      日本薬学会第133年会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜(横浜)
    • 年月日
      20130327-20130330
  • [学会発表] 鶏卵卵黄由来シアリルオリゴ糖ペプチドを用いる糖鎖-レクチン間相互作用解析2012

    • 著者名/発表者名
      大隅賢二、近藤純平、水野真盛、菅原州一
    • 学会等名
      日本ケミカルバイオロジー学会第7回年会
    • 発表場所
      京都大学百周年時計台記念館(京都)
    • 年月日
      20120607-20120609

URL: 

公開日: 2014-07-24  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi