研究課題/領域番号 |
23590044
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
和田 光弘 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (40295093)
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研究分担者 |
中島 憲一郎 長崎国際大学, 薬学部, 教授 (30039656)
高村 昇 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (30295068)
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キーワード | 葉酸 / 赤血球 / LC-MS/MS / 分析化学 |
研究概要 |
本申請は、葉酸 (FA) の長期摂取状況を反映するといわれている赤血球中の FA 類の、タンデム質量分析計を備えた液体クロマトグラフィー (LC-MS/MS) システムを用いる高感度な定量法を確立することを目的としている。前年度確立したLC-MS/MS 及び血液試料の前処理に用いる固相抽出条件により、FA、5-メチルテトラヒドロ葉酸 (5-MTHF) に加え、テトラヒドロ葉酸 (THF) 及び5-フォルミルテトラヒドロ葉酸 (5-FTHF) を測定対象とし、葉酸類代謝拮抗薬で構造類似体である methotrexate (MTX) を内標準物質として使用することで血液中での測定が可能となった。保持時間は 9.4 分 (5-FTHF)、4.4 分 (5-MTHF)、9.4 分 (IS)、 3.7 分 (THF) 及び 9.6 分 (FA) であった。標準添加血液を用いて算出した検出下限(シグナル-ノイズ比=3)は0.16~0.44 nM と高感度であり、血液中葉酸類の定量が期待できた。現在、健常人血液試料 400 検体の測定に取り組み、本法の実用性を検証しているところである。 一方、申請者らが開発した HPLC 測定法 (Wada M. et al., Biomed. Chromatogr., 27, 708-713, 2013) を用いて、同一被験者の血漿中ホモシステイン関連化合物濃度の測定を完了しており、その関連性を評価する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度の遅れを取り戻し、現在、健常人血液試料 400 検体の測定に取り組んでいる。また同一被験者の血漿中ホモシステイン関連化合物濃度の測定を完了しており、現在までの達成度は概ね順調に進展していると判断できる。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画の通り、400人の健常人血液中の葉酸類定量を完了し、同一検体の血漿中ホモシステイン関連物質濃度との相関性を検討する。この他、ホモシステイン代謝に関連する酵素の遺伝子多型や生活因子との関連性についても併せて検討する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
今年度の研究費については、葉酸測定用試薬、赤血球前処理カラム、HPLC用カラム、実験動物及びガラス器具などの消耗品の購入及び研究打ち合わせに必要な旅費への使用を計画している。
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