ウイルス天然変性蛋白質に焦点を当て、NMRによる実験結果と一次配列から予測される天然変性部位を比較した。はしかウイルスNtail蛋白質とアルファーシヌクレインでは、僅かな残存多形構造が実験から観測された。Ntailには一本のへリックスと若干のベータ構造が存在し、シヌクレインにはN端とC端ドメインにかすかな2次構造が観測された。これらの残存構造が機能発現に関連すると思われる。HIV-1のp17マトリックスとp24カプシド蛋白質では、1次配列から予測されるほど天然変性は実験で観測されなかった。カプシド蛋白質では生理的条件下での不安定化を試み、新たに検出された揺らぎ構造が予測天然変性部位と一致した。
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