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2011 年度 実施状況報告書

病理組織標本を用いた生体ステロイドのメタボライト・プロファイリング技術の開発

研究課題

研究課題/領域番号 23590051
研究機関東京医科大学

研究代表者

本多 彰  東京医科大学, 医学部, 准教授 (10468639)

研究分担者 宮崎 照雄  東京医科大学, 医学部, 助教 (60532687)
研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワードステロイド / LC-MS/MS
研究概要

本研究の最終目標は,これまで応募者らが開発してきたHPLC-MS/MSによるステロイドの高感度分析法を発展させ,代謝マップ上の100種類以上のステロイドを、ホルマリン固定した組織標本から一斉定量する「メタボライト・プロファイリング」法を開発することである。平成23年度は、組織標本に応用する前段階としての標準物質を用いた分離、分析条件の検討を行った。具体的にはステロイド標品をピコリン酸で誘導体化した後、HPLCによる分離条件を検討した。カラムはThermo Fisher Scientific社のHypersil GOLD (3.0 μm, 2.1 mm ID x 15 cm)とHypersil GOLD aQ (3.0 μm, 2.1 mm ID x 15 cm)を用い、移動相は0.1%の酢酸を含むアセトニトリル:メタノール:水系を使用し,水の比率を増やすことによる最適なグラジエントプログラムを作成した。さらに、MS/MSによる分析条件の検討も開始した。MS/MSでは、各ステロイドの構造(分子量)に特異的なモニタリングイオンよりも、むしろ特異性の低いピコリン酸をモニターしたほうが良好なS/Nが得られる傾向があったため、夾雑物の多い生体試料でも同じ結果が得られるか検討が必要と考えられた。 また、平成23年度は、平成24年度以降の定量分析に内部標準として使用する、安定同位体標識ステロイドの収集も行い、最低限必要な種類と量を確保しつつある。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

平成23年度の研究実施計画は、組織標本に応用する前段階としての標準物質を用いたステロイドの分離、分析条件の検討であったが、これまでのところ当初計画の7割程度の進展具合である。標準物質を用いた分離、分析条件の検討で未完成の部分は、分析スピードをより高速にするための使用カラム粒径の比較検討と、各ステロイドの構造(分子量)に特異的なモニタリングイオンと特異性は低いがS/Nがより良好なモニタリングイオンのどちらが良いかの最終的な決定の2点である。 やや遅れている理由としては、東日本大震災による研究室の被災、節電、および研究費が最終的に全額支給されるか否かがしばらく不明であったことなどが影響している。

今後の研究の推進方策

平成24年度は、前年度から継続の懸案事項として、使用カラム粒径の比較検討とモニタリングイオンの決定をまず完成させたい(4月~7月)。引き続いて、本年度の計画内容である組織からのステロイド一斉抽出方法の確立を行う(8月~3月)。 平成25年度は、ステロイドが安定に保持される組織固定方法を確立し(4月~8月)、ステロイドに影響を与えない組織切片染色方法の確立を行って(9月~3月)、本研究を完成させる計画である。

次年度の研究費の使用計画

次年度使用額が生じたのは、東日本大震災による研究室の被災、節電、および研究費が最終的に全額支給されるか否かが不明で、当初研究費を使いすぎないように指導を受け、研究がやや遅れ気味であることが理由である。次年度使用額は、平成23年度の計画にあった分析スピードをより高速にするための粒径の異なるカラムの購入等に使用する予定である。 平成24年度は、分析に用いるLC-MS/MSの消耗品のほか、組織からのステロイド一斉抽出のためのガラス器具、試薬、平成25年度以降に本格的に使用するレーザーマイクロダイセクションの試験稼働のための消耗品等の購入、および成果を学会や論文で発表するための旅費等に使用する計画である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Cholesterol 25-hydroxylation activity of CYP3A2011

    • 著者名/発表者名
      Honda A, Miyazaki T, Ikegami T et al.
    • 雑誌名

      J. Lipid. Res.

      巻: 52 ページ: 1509-1516

    • 査読あり
  • [学会発表] 炎症性腸疾患における血清ステロールのメタボローム解析2012

    • 著者名/発表者名
      岩本淳一, 本多彰, 宮崎照雄 ほか8名
    • 学会等名
      日本消化管学会
    • 発表場所
      仙台
    • 年月日
      2012年2月10日

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公開日: 2013-07-10  

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