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2012 年度 実施状況報告書

シクロデキストリン包接を利用した溶液媒介性結晶多形転移および結晶成長速度の制御

研究課題

研究課題/領域番号 23590063
研究機関崇城大学

研究代表者

平山 文俊  崇城大学, 薬学部, 教授 (90094036)

研究分担者 庵原 大輔  崇城大学, 薬学部, 助手 (40454954)
キーワードシクロデキストリン / 米国
研究概要

固形薬品の結晶多形や転移挙動を明らかにすることは、製剤設計や品質確保において極めて重要である。特に、結晶多形は新規物質とみなされるため、新多形の発見は医薬品開発のみならず、知的財産権の拡大・維持においても重要である。本研究では,各種薬物の結晶化・結晶成長・モルホロジーに対するシクロデキストリンの影響を詳細に検討し,新規結晶多形を検出・単離するとともに、その製剤への応用を企図する。
具体的には、本年度は、シクロデキストリン誘導体 2-ヒドロキシブチル-b-シクロデキストリンとの複合体形成を利用して単離した新規結晶多形 Form VI の in vitro 溶解ならびにin vivo 吸収挙動を詳細に検討した。ラットにアセトヘキサミドの新規結晶多形 Form VI あるいは安定形 Form III を経口投与後の血中薬物濃度を測定した結果、本研究で新規に単離した Form VI は Form III に比べて著しく高い血中薬物濃度を示した。Form VI はアセトヘキサミドの速溶解性形態として、製剤への応用が期待された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究の目的は、薬物の結晶化に対するシクロデキストリンの影響を検討し、新規結晶多形を検出・単離するとともに、その物理化学的あるいは生物学的性質を明らかにすることである。
前年度までに、経口糖尿病治療薬であるアセトヘキサミドの結晶化に及ぼすシクロデキストリン誘導体 2-ヒドロキシブチル-b-シクロデキストリン (HB-b-CyD) の影響を検討し、以下の結果を得た。1.アセトヘキサミドを HB-b-CyD 含有水溶液から再結晶すると、新規結晶多形 (Form VI) が析出した。2.この新規結晶多形は、他の結晶形に比べて、著しく高い溶解度と溶解速度を示した。
そこで、本年度は、この新規結晶多形 Form VI の in vivo 吸収挙動を検討した。その結果、ラットに Form VI を経口投与すると血中濃度は著しく上昇した。Form VI はアセトヘキサミドの速溶解形態として有用であることが明らかとなった。

今後の研究の推進方策

今後の研究計画は以下の通りである。
他の薬物についてシクロデキストリン包接を利用した新規結晶多形の調製、晶癖の制御を企図するとともに、シクロデキストリン存在下での薬物結晶化機構を明らかにする。具体的には、バルビツール酸では新規結晶多形が析出すること、サルファチアゾールでは結晶の外形が大きく変化することをみいだしている。今後はこれらの結晶化機構を明らかにする予定である。

次年度の研究費の使用計画

主に、結晶化に必要な試薬、溶媒を購入する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Crystallization of A New Polymorph of Acetohexamide from 2-Hydroxybutyl-b-cyclodextrin Solution: Form VI with High Aqueous Solubility2013

    • 著者名/発表者名
      H. Aldawsari, A. Altaf, Z.M. Banjar, D. Iohara, M. Nakabayashi, M. Anraku, K. Uekama, F. Hirayama
    • 雑誌名

      Int. J. Pham.

      巻: in press ページ: in press

    • 査読あり

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公開日: 2014-07-24  

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