生活習慣病や老化の予防、さらには放射線防護を目的として、フェノール性水酸基のO-H結合解離エネルギー(D(HT))またはイオン化エネルギー(IP)が天然フェノール性抗酸化物質よりも低い化合物を密度汎関数計算により分子設計し、合成した。得られた化合物のラジカル消去活性は、元の天然物よりも顕著に高くなり、D(HT)値またはIP値と良く相関した。また、いくつかの化合物は、ラット胸腺細胞に対して毒性が低く、非常に優れた放射線防護活性を示した。しかし、放射線防護活性とラジカル消去活性の間には相関が見られず、細胞や動物への応用には、化合物の脂溶性など、ラジカル消去活性以外の因子も重要であることが分かった。
|