TNF-αによるEphA2のリン酸化制御について解析した結果、TAK1-ERK下流のRSK1/2がSer-897を直接リン酸化することがわかった。Ser-897リン酸化が恒常的に誘導されているヒト乳がん細胞株において、RSK-EphA2経路が遊走・浸潤能を誘導した。さらに、ヒト肺がん組織を用いてRSK-EphA2の局在を検討したところ、リン酸化EphA2 Ser-897とリン酸化RSKが同じ細胞に認められ、RSK-EphA2経路の活性化が生命予後と負の相関を示すことを明らかにした。以上のことから、RSK-EphA2経路はがん細胞運動を調節し、がんの悪性化に関わることが明らかとなった。
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