研究課題/領域番号 |
23590073
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
上田 浩 岐阜大学, 工学部, 准教授 (50253779)
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研究分担者 |
赤尾 幸博 岐阜大学, 連合創薬医療情報研究科, 教授 (00222505)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 三量体G蛋白質 / Rho / RhoGEF / リン酸化 / チロシンリン酸化 / アクチン |
研究概要 |
本研究では、我々が三量体G蛋白質シグナルにより制御されることを見出したRhoファミリー特異的グアニンヌクレオチド交換促進因子(RhoGEF)が、三量体G蛋白質シグナル以外の細胞内シグナルによりリン酸化されるどうかについて検討し、そのリン酸化の生理的意義を解明することが目的である。平成23年度の計画としては、我々が同定した三量体G蛋白質βγサブユニット依存的に活性化するFLJ00018及びFLJ00261などのRhoGEFについて、EGF刺激および恒常活性化型srcとの共発現によるリン酸化部位の同定を行い、そのリン酸化の生理的意義を解明することであった。まず、FLJ00261については、すでにがん遺伝子のTIMとして同定されているスプライシングバリアントにおいて、同定されているリン酸化部位以外のリン酸化部位を同定することをまず試みた。そして、TIM領域以外のN末端領域におけるsrcとの共発現により、細胞内でリン酸化される3つのチロシン残基をFLJ00261の種々のdeletion変異体および点変異体により同定した。また、このリン酸化のFLJ00261の活性への影響について現在検討中である。また、もうひとつのRhoGEFであるFLJ00018についも活性化型srcとの共発現によるチロシンリン酸化部位の同定を、種々のdeletion変異体および点変異体を作製し試みた。その結果、一箇所のチロシンリン酸化部位を同定し、現在、そのリン酸化チロシンの生理的意義について、計画にあったように、リン酸化チロシンに対して結合する生体分子の同定も含め検討中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度の当初の計画では、各RhoGEFのリン酸化部位の同定を目的としていた。その点を考えると、FLJ00018とFLJ00261のsrcを介するチロシンリン酸化部位の同定についてはほぼ完了したと考えられる。しかし、同定後のそれらチロシンリン酸化の生理的意義付けについては、次年度以降の課題として残っている。また、FLJ00018のEGF受容体によるセリン・スレオニン・チロシンのリン酸化については、完全には終了できていないので、これらのリン酸化部位の同定は次年度には完了させる必要があると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
当初の計画と上記の達成度を考慮し、次年度以降、以下の点について推進していくことを考えている。(1)FLJ00018のEGF刺激時におけるリン酸化部位の完全同定をまず行う(すでに2箇所のリン酸化部位は同定済み)。(2)同定されたFLJ00018のsrcを介して行われるチロシンリン酸化部位に相互作用する生体分子の同定を行い、チロシンリン酸化の生理的な役割を明確にする。(3)同定されたリン酸化部位をグルタミン酸などへの置換により、恒常的リン酸化型RhoGEFを作成し、wild typeとの細胞機能への相違を検討し、チロシンリン酸化の生理的意味を検討する。(4)残りのKIAA1209について、srcを介するチロシンリン酸化の有無を確認し、そのリン酸化部位を同定する。(5)各種RhoGEFの変異体遺伝子などを、平成23年度購入した電気的遺伝子導入装置を用い、遺伝子導入効率が低いと考えられる血球系や神経系の細胞に遺伝子導入を試み、細胞機能について検討する。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成23年度残高555円と次年度予算額120万円(直接経費)を合わせ、上記の研究推進方針に沿って予算執行をしていく予定である。研究遂行のため、ほとんどを物品費として当てる予定でおり、その内訳は、平成23年度の残額と予算の100万円を予定しており、一般薬品類や細胞培養用試薬及び物品として使用する予定でいる。残り20万円については、旅費や論文掲載のための費用として使用する予定でいる。
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