食道扁平上皮癌臨床サンプルにおいて、発現量が有意に変化していたmicroRNAのうち、3種が癌細胞の増殖に関与すること、2種が癌細胞の遊走に関与することを見いだした。さらに、食道扁平上皮癌細胞におけるこれらのmicroRNAの標的遺伝子を網羅的に同定した。上記中で最も顕著な効果を発揮した、遊走抑制能を有するmicroRNAの標的遺伝子をそれぞれノックダウンし、遊走能に関わる遺伝子を同定したところ、2種の細胞外分泌に関わる遺伝子が食道扁平上皮癌細胞の遊走能を促進することを新たに見いだした。以上より、食道扁平上皮癌細胞が細胞外分泌システムを利用して自身の遊走能を促進する可能性を初めて明らかにした。
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