研究課題/領域番号 |
23590095
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研究機関 | 同志社女子大学 |
研究代表者 |
川崎 清史 同志社女子大学, 薬学部, 教授 (60270641)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | リポ多糖 / リモデリング / 認識 |
研究概要 |
本研究では感染細菌の宿主適応のメカニズムの解析を目的としている。そのうち特に外膜構成成分であるリポポリサッカライドに着目し、LPSリモデリングの感染応答での役割を解明すると同時に、宿主のLPS認識の機構を明らかにすることを計画している。 本年度はLPSのリピドA修飾酵素であるLpxRによって起こる脱アシル化の修飾をされたリピドAの精製をすすめ、マススペクトロメトリーで単一ピークを示す精製標品を得る精製法が確立できた。未修飾型やそのほかの修飾型リピドAの精製標品との生物活性の比較を次年度以降行う予定である。 宿主のリピドA認識応答機構を解明するために、LPS認識と並行して起こる貪食に着目して貪食がLPS刺激伝達に与える影響を解析するために、まずLPS刺激によってマクロファージから分泌される種々のサイトカインの測定系の確立を行った。また、マクロファージによるビーズの貪食系も確立した。次年度以降、ビーズの貪食がLPSによるマクロファージからのサイトカイン分泌に与える影響を検討する。 グラム陰性菌は外膜を起源とする外膜小胞(Outer membrane vesicle, OMV)が分泌される。OMVはLPSなどの脂質、様々な病原性タンパク質、薬剤耐性などの遺伝物質としての核酸、などが含まれることが知られており、最近の病原性に関わると考えられている。このOMV生成の分子機構を探るために大腸菌からOMVを精製してその構成タンパク質を分析した。その結果、おなじ菌種であっても株の違いによりOMVの構成タンパク質は大きく異なることがわかった。構成タンパクOMV形成における役割を次年度以降解析する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
LPSリモデリングの解析を推進するために、LpxRによって起こる脱アシル化の修飾をされたリピドAの精製をすすめ、マススペクトロメトリーで単一ピークを示す精製標品を得る精製法が確立できた。また宿主によるLPS認識の機構を解明するために、LPS刺激によってマクロファージから分泌される種々のサイトカインの測定系の確立を行った。また、マクロファージによるビーズの貪食系も確立した。さらにリモデリングと捉えることができるOMV形成に関して解析の手がかりをつかんだ。
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今後の研究の推進方策 |
LpxRで修飾を受けたリピドAと未修飾型やそのほかの修飾型リピドAの精製標品を調製して、それらの生物活性の比較を次年度以降行う予定である。また、宿主LPS認識における貪食の役割を解析する。また、OMV形成における構成タンパク質の役割を明らかにする。
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次年度の研究費の使用計画 |
上記の研究を遂行するために薬品をはじめとする物品の購入に研究費を使用する。さらに、研究成果の発表や研究情報の交換のための旅費などに研究費を使用する。
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