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2013 年度 実績報告書

LRGノックアウトマウスの解析による新規シグナル分子としてのシトクロムcの役割

研究課題

研究課題/領域番号 23590096
研究機関大阪薬科大学

研究代表者

井上 晴嗣  大阪薬科大学, 薬学部, 准教授 (70183184)

キーワード生体分子 / 蛋白質 / 生理活性
研究概要

野生型マウスとLRGノックアウトマウスに、ウマCyt cを腹腔内に投与した。その結果、Cyt cの投与により、野生型マウスでは骨髄細胞中の好中球の割合が増加したが、LRGノックアウトマウスでは好中球の増加は認められなかった。このとき、血清中のG-CSFをELISAで定量することにより、骨髄細胞中での好中球の増加は血中G-CSF量の増加によると考えられた。また、Cyt cを投与したマウスの血清を、ウェスタンブロットにより解析したところ、血中Cyt cは野生型マウスでのみ検出され、LRGノックアウトマウスでは全く検出されなかった。このことは、LRGノックアウトマウスでは投与したCyt cは直ちに尿中に排泄されるが、野生型マウスではCyt cはLRGと複合体を形成することによって血中に維持されることを示す。すなわち、血中Cyt cはLRGと複合体を形成し、それがG-CSFの発現を促進し、好中球の増加を引き起こすシグナルとして機能すると考えられた。
また、大腸菌でヒトCyt cを発現するプラスミドpBTR1を用いて、ヒトCyt cのLys残基をそれぞれAlaに置換したpBTR1変異体を多数作製し、これらの変異体とヒトLRGとの相互作用をBiacoreで測定した。その結果、K8A, K13A, K72A, K73A, K79Aでは解離定数が大きくなり、LRGとの相互作用が低下することがわかった。特にK8Aの解離定数は265pM、K72Aは734pMとなり、これらのLys残基がAlaに置換すると、結合力がそれぞれ100倍以上弱くなることがわかった。以上の結果から、Cyt cの8位、13位、72位、73位、79位の正電荷がLRGとの相互作用に重要であり、これらの残基はCyt cの露出したヘムcを取り囲む領域に位置しているので、この領域にLRGが結合すると考えられた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2014 2013 その他

すべて 学会発表 (3件) 備考 (1件)

  • [学会発表] ロイシンリッチα2-グリコプロテインとシトクロムcの相互作用2014

    • 著者名/発表者名
      井上晴嗣、松村有紗、矢野可央里、藤井忍、福永理己郎、池田潔
    • 学会等名
      日本薬学会第134年会
    • 発表場所
      熊本
    • 年月日
      2014-03-28
  • [学会発表] 新規シグナル分子としての細胞外シトクロムcの機能2013

    • 著者名/発表者名
      西村恵子、宮地由香里、村上弦大、伊狩光、土屋孝弘、藤井忍、福永理己郎、池田潔、井上晴嗣
    • 学会等名
      第86回日本生化学会大会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      2013-09-12
  • [学会発表] ロイシンリッチα2-グリコプロテインとシトクロムcの相互作用2013

    • 著者名/発表者名
      矢野可央里、松村有紗、藤井忍、福永理己郎、池田潔、井上晴嗣
    • 学会等名
      第86回日本生化学会大会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      2013-09-12
  • [備考] 研究室紹介 生化学研究室

    • URL

      http://www.oups.ac.jp/kenkyu/kenkyuushitu/seika.html

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公開日: 2015-05-28  

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