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2011 年度 実施状況報告書

アルギニンメチル化酵素による癌抑制因子RASSF1Aの機能制御

研究課題

研究課題/領域番号 23590101
研究機関姫路獨協大学

研究代表者

白木 孝  姫路獨協大学, 薬学部, 講師 (10294208)

研究分担者 柴田 克志  姫路獨協大学, 薬学部, 教授 (70296565)
酒井 伸也  姫路獨協大学, 薬学部, 助手 (30525077)
研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワードRASSF1A / アルギニンメチル化酵素 / 微小管
研究概要

本研究では、分子生物学的、プロテオミクス技術を駆使して、RASSF1A-PRMT5複合体形成の分子メカニズムならびに、中心体・微小管ネットワーク制御における意義を明らかとする事を第一の目的としている。申請者らはプロテオミクス解析により、アルギニンメチル化酵素であるPRMT5が、RASSF1Aの新規結合蛋白である事を見出した。H23年度は、(1)PRMT5とRASSF1Aとの相互作用を免疫生化学的手法を用いて検討した。その結果、PRMT5が抗Flag抗体に特異的に結合する抗原認識部位を有している可能性が示され、PRMT5とRASSF1Aとの相互作用が想定より一過性かつ弱い結合である可能性が示唆された。(2)中心体は微小管形成中心(MTOC)として、微小管ネットワークを制御することで、細胞内蛋白輸送など様々な細胞生理機能を担っている。RASSF1AおよびPRMT5を安定発現させたHEK293細胞を作製し、微小管形成阻害・安定化の各種薬剤を用いて、中心体周期、微小管形成(星状体形成)などの微小管動態とRASSF1Aの細胞内局在変化との関連を解析した。抗γチューブリン抗体、抗βチューブリン抗体を用いた免疫組織化学的解析により、RASSF1Aは微小管と共局在する事が示された。特に、細胞分裂期における紡錘糸形成との共局在が顕著に認められ微小管の安定性に関与するという従来の報告と一致する結果が得られた。以上より、微小管動態変化とRASSF1Aの細胞内局在変化との関連は、Hippo-Salvador-Warts情報伝達の新たな活性制御機構である可能性が示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

平成23年8月にはPRMT5が抗Flag抗体に特異的に結合する抗原認識部位を有している可能性が示され、PRMT5とRASSF1Aとの相互作用が想定より一過性かつ弱い結合である可能性が示唆された。したがってRASSF1AとPRMT5との相互作用は免疫学的手法のみの解析では困難であると判断し、当初の実験計画を修正した。これらの検討および解析におよそ6ヶ月を要したため、研究計画はやや遅れている。

今後の研究の推進方策

本研究ではRASSF1A-PRMT5複合体形成の分子メカニズムならびに、中心体・微小管ネットワーク制御における意義を明らかとする事を第一の目的としている。平成23年8月にはPRMT5が抗Flag抗体に特異的に結合する抗原認識部位を有している可能性が示され、PRMT5とRASSF1Aとの相互作用が想定より一過性かつ弱い結合である可能性が示唆された。したがってRASSF1AとPRMT5との相互作用は免疫学的手法のみの解析では困難であると判断し、当初の実験計画を修正した。これらの検討および解析におよそ6ヶ月を要したため、年度内に当初の研究計画を完了することが困難となった。今後の研究の推進方策としては、平成23年度に予定していた実験計画も含めて以下のように計画している。(1)新たにHAのみのタグを有したHA-PRMT5を作製し免疫沈降法にてRASSF1Aとの相互作用を解析する。(2)GST-PRMT5融合蛋白の発現構築を作製し、RASSF1Aとの物理的相互作用の解析を行う。(3)shRNA発現レンチウィルスを用いて、RASSF1Aノックダウン細胞を作製し、PRMT5の細胞内局在変化との関連を解析する。(4)GFP融合蛋白を用いた実験より見出した知見は、内在性蛋白に対する抗体、あるいはHAなどとの融合蛋白を発現させた各種細胞株で局在変化の詳細を解析する。(3)電子顕微鏡を用いて細胞内局在の詳細を観察する。(4)ドメイン構造に基づき、RASSF1AならびにPRMT5の各種変異体を作製し、結合ドメインを決定する。(5) RASSF1Aノックダウン細胞をヌードマウスに移植し、腫瘍形成能および転移能を個体レベルで解析する。

次年度の研究費の使用計画

研究費の大部分は試薬などの消耗品に使用する予定であり、大型設備備品の購入の予定はない。実験進捗状況によっては、技術補佐員の人件費に充当する場合がある。

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公開日: 2013-07-10  

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