研究課題/領域番号 |
23590101
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研究機関 | 姫路獨協大学 |
研究代表者 |
白木 孝 姫路獨協大学, 薬学部, 准教授 (10294208)
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研究分担者 |
柴田 克志 姫路獨協大学, 薬学部, 教授 (70296565)
酒井 伸也 姫路獨協大学, 薬学部, 講師 (30525077)
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キーワード | RASSF1A / PRMT5 / 微小管 / 蛋白質アルギニンメチル化 |
研究概要 |
本研究ではタンデムアフィニティー精製により、アルギニンメチル化酵素であるPRMT5(protein arginine methyltransferase 5)がRASSF1Aの新規結合蛋白質である事を見出した。PRMTs(PRMT1-9)はアルギニン残基にメチル基を転移させる酵素ファミリーであり、ヒストン蛋白質・mRNAスプライシング因子・転写因子など核内蛋白質の機能制御に関与している事が知られている。一方、細胞内局在解析によりPRMTsは細胞質内にも多く分布しており、核内と同様に細胞質もPRMTの主要な反応の場である可能性が示唆されている。また、他のPRMTと異なりPRMT5はゴルジ蛋白質、クロマチンリモデリング因子、がん抑制因子p53など、多くの蛋白質と相互作用し細胞増殖・アポトーシス誘導に関与している事が報告されており、がん抑制の標的分子としても注目されている。本研究では細胞内局在解析により、PRMT5が微小管上でRASSF1Aと共局在している事を見出した。この事は、(1)中心体・微小管を反応の場として、RASSF1Aあるいは他のHippo情報伝達分子が、PRMT5のアルギニンメチル化によって機能制御されている可能性、さらに、(2)Hippoがん抑制情報伝達機構が中心体・微小管動態制御にも関与している可能性を示唆するものである。H25年度はPRMT5がゴルジ蛋白であるGM130と共局在している事を明らかとし、ゴルジ体の安定化にも関与している可能性が示唆された。この事により、RASSF1A-PRMT5複合体形成が中心体・微小管動態の制御のみならずゴルジ体安定化にも関与している可能性が示唆された。
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