研究課題
平成25年度は,交付申請書に記載したように,平成23年度,平成24年度に開始した研究を継続発展させた.また肺がんモデル細胞を用いた研究に加えて,マウスに肺がん細胞を移植したり発がん性化学物質4-NQO投与することで肺がんモデル動物を作成することを試みた.得られた成果の概要を以下に記載する.細胞質alpha型ホスホリパーゼA2(cPLA2alpha)活性に対する新規合成セラミド誘導体の網羅的解析を進め,新規のcPLA2alpha活性阻害作用を有する誘導体を見出した.この成果は学会発表するとともに英文論文として公表した.この研究を展開する中で細胞内ゴルジ装置を安定的に標識でき細胞毒性が少ない新規化合物を見出し特許申請を行った.また,セラミド代謝酵素であるセラミダーゼの解析を行い,肺がんモデル細胞でるA549細胞においてc-Src型チロシンキナーゼにより正に制御されていることを明らかにした.現在セラミドキナーゼ,グルコース付加酵素などの活性制御機構と誘導体による活性修飾を検討している.肺線維化に関する研究ではヒトの肺由来線維芽細胞を用いて研究を進め,スフィンゴシン-1ーリン酸(S1P)が,S1P3受容体を介して線維化促進作用を示し,S1P1受容体を介した場合にはアラキドン酸-プロスタノイド系を介して線維化抑制方向に作用することを見出した.線維化に関してS1Pが二面性の作用を示すことを初めて明らかにした.肺がんモデル細胞でのアラキドン酸代謝,セラミド代謝とそれに対する新規合成セラミド誘導体を検討している.肺気道過敏症モデルマウスを薬物投与により作製したが気道閉塞などの反応性が安定しなかった.また肺がんモデルマウスの作成にあたっても,肺がんの出現率にばらつきが大きく今後のさらなる検討が必要であった.
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