研究課題/領域番号 |
23590111
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
矢部 武士 北里大学, 大学院感染制御科学府, 講師 (40239835)
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研究分担者 |
山田 陽城 北里大学, 大学院感染制御科学府, 教授 (60096691)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 色素上皮由来因子 / 神経保護作用 / 神経系前駆細胞 / 脳虚血 / グルタミン酸トランスポーター |
研究概要 |
PEDFのin vivoでの神経保護作用を、組み換えアデノウイルスを用いた脳内PEDF過剰発現系を用いて解析を行い、遺伝子治療や創薬の標的蛋白としてのPEDFの可能性について評価を行なっている。。現在までに、Ad.PEDFの前投与によりPEDFを過剰発現させた動物において、キノリン酸投与やMCAO(中大脳動脈閉塞)による神経細胞死が強く抑制されることを既に見いだしている。しかしながら、PEDFの臨床応用を考えた場合、その投与時期は、虚血が生じた後となることから、虚血負荷後にPEDF組換えアデノウイルス、あるいはリコンビナントPEDFを作用させた場合の有効性についての検討を行ない、Therapeutic time windowを明らかとすることを本研究課題の目的としている。平成23年度は、shRNAによるPEDFノックダウン系の構築を行い、現時点までにアデノウイルスベクターによるPEDFshRNAの導入により培養アストロサイトのPEDF産生をほぼ完全に消失させることを確認している。 またPEDF産生促進作用を有する天然物由来化合物を見出すことを目的に検討を行い、漢方薬などに用いられるオンジという生薬に活性を見出した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
これまでPEDFのin vivoでの神経保護作用の検討に頸動脈からのフィラメント挿入による中大動脈閉塞 (MCAO)による虚血ー再灌流モデルを用いて検討を行なってきた。MCAOで得られる虚血像は臨床で見られる脳梗塞での病態と比較的類似しており、脳梗塞に対する治療法の検討には非常に有用なモデルとされている。しかしながらその実験手技は比較的難易度の高いものであり、安定した結果が得られる手技の習得にかかる時間は実験者によりかなり偏りが見られる。23年度よりMCAOの実験担当者が替わったことから、現在、手技の習得を行なっているところであるが、手技習得の進行状況が少々遅れているのが実情である。それ以外の項目に関しては、おおむね予定通り進行している。
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今後の研究の推進方策 |
基本的には、平成23年度の実験計画の延長線上の研究を行うが、るPEDFの神経新生に対する作用を明らかとすることを目的に、正常動物や脳虚血負荷動物などの海馬歯状回や側脳室にPEDFを投与することによりPEDFを過剰発現させ、神経系前駆細胞の増殖、分化に変化があるかどうかをBrdU標識法、及び蛍光免疫多重染色法を用いて解析をおこなう。
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次年度の研究費の使用計画 |
基本的に23年度の使用項目と同様である。以下に項目を記す。実験動物 (SDラット、妊娠確定ラット、哺乳ラット、ddYマウスなど)各種抗体 (細胞内情報伝達関連抗体、アポトーシス関連抗体、細胞マーカー蛋白関連抗体など、その他現有効帯の補充)培養関連試薬 (培地、ウシ胎児血清、培地添加物など)その他の試薬 (RT-PCR 関連, 免疫染色関連試薬、in situ hybridaization関連試薬、各種制限酵素補充、トランスフェクション関連試薬、レポータージーンアッセイ関連試薬、その他現有試薬の補充) 各種消耗品類 (ディスポーサブル・ピペット、培養プレート、培養フラスコ、チャンバースライド、スライドガラスなど)
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