本研究は、脳梗塞後の脳血管障害に及ぼすタンパク質チロシンリン酸化の役割解明を試みた。その結果、一過性局所脳虚血後24時間目に脳血管及び脳血管外にMPO陽性細胞が顕著に観察され、好中球の浸潤が示唆された。この好中球浸潤はSrc阻害薬で抑制された。これに伴い、Nox subunit p67phox 量及びCOX-2量の増加もSrc阻害薬で抑制されたため、好中球浸潤と脳血管障害の上流にSrcが存在することが明らかとなった。さらに、血液脳関門の破綻はペリサイトに発現するチロシンリン酸化PDGFR-βの発現量によって調節されている可能性が示唆された。
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