我が国で患者数が150万人以上とされる脳血管疾患は、麻痺や認知障害などの重篤な後遺症を伴うことも多く要介護状態に陥る原因の第1位で、治療の際は後遺症の軽減も重要となる。本疾患の6割以上を占める虚血性疾患(脳梗塞等)では、治療に不可欠な血流再開時にも再灌流障害が誘発されこれが後遺症にも関与する。これに対し、エダラボンよる保護療法が行われるが、無効例や副作用例もあり新たな脳保護薬が望まれている。そこで、本研究では新規脳保護薬の開発を目指した。最大の成果は、新たに合成した化合物中にエダラボンよりも強い保護物質を複数見い出し脳保護薬またはそのリード化合物として有用であることを明かにしたことである。
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