ヒト胃癌由来AGS細胞において、生体内で硫化水素(H2S)産生に関わる酵素の1つであるcystathionine-gamma-lyase(CSE)により産生された内因性H2Sは、AGS細胞の増殖を促進的に調節していることが示唆された。この効果の一部には、H2SによるCav3.2 T型カルシウムチャネルの機能増強およびNF-kappaB系の活性化を介した抗アポトーシスタンパクBcl-2とBcl-xLの発現増加が関与している可能性が示唆された。これらの経路は胃癌治療の新たなターゲットとなることが期待される。
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