研究課題/領域番号 |
23590126
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
KNELLER Robert W 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (20302797)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 国際研究者交流 / アントレプレナーシップ / ベンチャー企業 / 産学連携 / 臨床試験 / レギュラトリーサイエンス / 知的財産権 |
研究概要 |
研究代表者は、2010年7月から2011年8月まで米国スタンフォード大学医学部において客員教授として研究をすすめた。2011年度の研究期間においては、医療機器、バイオマテリアル、バイオ工学、再生医療など、日本が得意とする分野の研究室のシリコンバレーにおける動向の調査を行った。研究開発のインキュベーターにあたる研究室としては、「QB3」と呼ばれるカリフォルニア大学サンフランシスコ校(主に医学研究に特化したキャンパス)の中にあるインキュベーター、「フォガティーイノベーションセンター」と呼ばれるカリフォルニア州マウンテンビューのエルカミノ病院内にあるインキュベーターとは緊密に連携を行った。また、研究代表者は、数多くのバイオベンチャー企業を訪問し、日本のバイオベンチャー企業のパートナーとしての可能性を探り、バイオベンチャーのマーケット戦略等に関する考察を行った。研究代表者は、様々な場で研究成果を公表したが、主なものとしては、2011年9月24日に第84回日本生化学会大会(京都)において、「日本の大学とシリコンバレーをつなぐために(Linking Japanese University Science to Silicon Valley)」と題する講演をセッション4B「バイオ・イノベーションにかかる知的財産とアカデミック研究」において行い、他の研究者と研究討議を行った。また、2012年2月14日には、東京大学知的資産経営研究プロジェクト・新ビジネス塾において、「研究成果商業化のために米国・シリコンバレー活用を考える(Starting Companies in America to Commercialize Japanese Discoveries)」と題する講演を行い、他の研究者との研究討議を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
海外ネットワークの構築は順調になされたが、臨床試験に向けての計画は、研究計画に記述された内容には及んでいない。しかしながら、これは、臨床試験に至る研究成果が少数派(25%程度)であり、さらに海外における臨床試験はさらに少数であるので、想定内の結果である。研究代表者は、日本の研究者の研究成果をシリコンバレーの研究室に紹介する試みを頻繁に行い、一部のバイオベンチャー企業は、日本の研究者の特定の研究成果に興味を持っていることが示されたが、現時点では正式なパートナーシップを提携するに至ってはいない。したがって、臨床試験に関しての検討もされてはいるが、あくまでも試験的な議論であり、具体的な内容には達していない。
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今後の研究の推進方策 |
今後も日本の研究室とシリコンバレーの研究室をつなぐ活動を続ける。予測されていたことではあるが、ネットワーク構築の問題の一部は、日本の大学・研究室の海外提携・進出に対する消極的態度にある。研究代表者は、具体的な連携プランなどを提示することにより、より動的な考察を期待する。これに対して積極的な反応が得られる場合には、海外ネットワークの構築を続伸し、得られない場合は、その具体的な状況における消極的態度の要因を考察する。
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次年度の研究費の使用計画 |
2012年度も、前年度に引き続き、日本のバイオベンチャーの海外ネットワークの構築のための支援を行う。このため、2回の訪米を予定している。4月には、スタンフォード大学ビジネススクールで催される日本のアントレプレナーシップに関するシンポジウムにおいて、日本や諸外国におけるバイオベンチャー企業の動向に関する研究成果を発表する予定である。また、2013年2月に開催される予定の米国技術移転管理者協会の国際会議(AUTM)に参加し、研究成果に関して関係者と意見交換を行うことを予定する。
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