研究課題
平成25年度では、isofagomineと同じ1-N型イミノ糖構造を有するcalystegineについて解析を行った。タンパク-リガンドinduced fit docking解析の結果を行ったところ、calystegine A3、B3およびB4は、calystegine B2同様、β-glucocerebrosidaseの活性中心に対し競合的に結合するものの結合配向が異なり、calystegine B2とA3はType I型、calystegine B3とB4はType II型を取っていることが示唆された。更に、これらcalystegineは、いずれもisofagomineと同様、β-glucocerebrosidaseの基質認識に重要なアミノ酸により認識を受けていたが、Type II型のcalystegine B3およびB4では、窒素原子とE235とのクーロン相互作用を欠いていることが明らかになった。また、Type I型の結合配向を示したcalystegine B2とA3は酵素の熱安定性を高めるとともにゴーシェ病モデル細胞であるN307S細胞に対して有意なシャペロン効果を示した。本研究課題では、β-glucocerebrosidase に対し高い親和性を示すためにはE340、E235、D127の3つのアミノ酸残基との相互作用が必要であることを見いだすとともに、イミノ糖の水酸基の配位の違いにより、β-glucocerebrosidaseに対する結合配向し、酵素の熱安定性およびシャペロン効果が変化することを初めて報告した。更にDMDPやHNJなど、D体、L体を含む全異性体の合成を行い、これらイミノ糖が各種グリコシダーゼに及ぼす効果を網羅的に解析し、断片化していた阻害選択性に関する情報を集約し、医薬品応用の可能性を見いだした。
すべて 2014 2013
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件) 学会発表 (6件)
Bioorg. Med. Chem.
巻: 22 (8) ページ: 2435-2441
10.1016/j.bmc.2014.02.057
J. Org. Chem.
巻: 78 (7) ページ: 3208-3221
10.1021/jo400130p
巻: 21 (16) ページ: 4813-4819
10.1016/j.bmc.2013.03.004
巻: 78 (15) ページ: 7373-7776
10.1021/jo4005487
巻: 78 (20) ページ: 10298-10309
10.1021/jo401694e