研究課題/領域番号 |
23590128
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
宮地 弘幸 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (20376643)
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研究分担者 |
松野 研司 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (50433214)
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キーワード | PPAR / secretase / NOTCH / チアゾリジンジオン / フェニルプロピオン酸 |
研究概要 |
平成24年度も引き続き、ベンジリデンチアゾチジンジオン誘導体およびファニルプロピオン酸誘導体を三つの部分構造、1)酸性頭部、2)リンカー部、3)疎水性末端部に分別してそれぞれの部分構造に関して、PPARアゴニスト活性、γセクレターゼ阻害活性、NOTCH阻害活性の測定と、その結果を踏まえた構造-活性相関の解析を継続して行った。 1) の酸性頭部部分に関してはこれまでに、チアゾリジンジオン構造や(S)-α-置換フェニルプロピオン酸構造の有効性を見出していた。チアゾリジンジオンの代替構造である、チアゾリジンチオン構造、ローダミン構造等の化合物合成を行ったがこれらはいずれの生理活性も示さず、酸性頭部の厳密な認識を確認した。 2) リンカー部分に関しては、炭素数にして2個または3個に相当するスルホンアミド構造体やその逆配置となるアミノスルホニル構造体を中心に合成した。その結果、定性的にはスルホンアミド構造の方が、従来のアミド構造よりも、γセクレターゼ選択的阻害活性に関してはこのましいことが判明した。一方、炭素数2のスルホンアミド構造では、γ-セクレタ^ゼ活性は殆ど示さないのに対し、副作用の指標として用いている、NOTCH阻害作用が強いことが新たに判明した。機能選択的リガンド創生に関し、重要な知見が得られたと考えている。 3) 疎水性末端部分の置換位に関しては、やはり、いずれの活性発現においても、ベンゼン環4位の嵩高い置換位基導入は好ましくなく、活性の著しい現象を認めた。また、2位フッ素原子の存在も重要であり、この部分を水素に置換した化合物はγセクレターゼ阻害活性は弱いことが確認できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
化合物合成に関してはおおむね順調に進展している。ただし、活性評価に用いる機械が故障し、その点検数理のため、活性評価面でやや遅れた結果となった。
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今後の研究の推進方策 |
γセクレターゼ阻害活性に関する各部分構造最適化の組み合わせ化合物の合成を行うとともに、副作用である、 NOTCH蘇我に関しても構造最適化をはかる。代表液化合物にかんして、既存のγセクレターゼ阻害活性物質と作用点が同一なのか?それとも異なるのか?を検討する。
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次年度の研究費の使用計画 |
合成薬品代、精製溶媒代、合成器具代、生化学薬品代に使用。
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