研究課題
結合様式2については市販化合物であるU-50,488Hを用いることになるが、結合様式1,3,4に属する化合物はTRK-820誘導体として合成した(結合様式1:TRK-820、結合様式3:TRK-820からフェノール環を除去した化合物、ベンゼン環をシクロヘキセン環に変換した化合物、およびそれに酸素官能基を導入した化合物、結合様式4:TRK-820の17位置換基をフルオロアルキル基に変換した化合物)。これら化合物のオピオイド受容体結合実験の結果より、1)フェノール環を除去すると結合親和性は大きく低下するが、κ受容体親和性および選択性を示すこと、2)シクロヘキセン環はベンゼン環の代替と成り得ること、3)水酸基の導入により結合親和性は向上し、水素結合供与性基として働いていること、4)17位窒素の塩基性を低下させると結合親和性は低下するが、κ受容体親和性および選択性を示すことが明らかとなった。これら化合物のκ作動活性を非標識化合物による活性評価システム(CellKey System)を用いて評価したところ、結合親和性とほぼ同じ傾向を示し、上記の知見はκ作動活性にも適用できることが明らかとなった。μ、δ受容体に対する作動活性は現在評価中であり、今後、作動活性における選択性についても明らかになると考えられる。作動活性はヒトκ受容体発現細胞を用いて評価しているが、化合物によるCellKey Systemの波形(インピーダンス変化)の違いは観察されていない。当初の計画では、2種のオピオイド受容体を共発現した細胞を用いて受容体ダイマーとの関係も検討していく予定であったが、共発現細胞の構築が難航し、現時点では評価するに至っていない。しかし、化合物については既に合成済みであり、共発現細胞が構築できれば直ちに評価に取りかかる事ができ、結合様式と受容体ダイマーの関係が解明できると期待している。
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