既存の抗菌剤に耐性を示す耐性菌の出現が増加傾向にあり、耐性菌罹患による死亡例が報告されるようになってきている。そこで、多剤耐性菌に有効な新規抗菌薬の創製を目指し、担子菌から見いだされたジテルペノイドであるリューロムチリンをシード化合物として、独自のアイデアのもと分子設計を行い、その合成並びに抗菌活性評価を行った。その結果、注射剤として開発可能な程の高い水溶性を持つ化合物を見いだし、かつ、黄色ブドウ球菌感受性菌(FDA209P)および耐性菌(KMP9)共に強い抗菌活性を持つ化合物の創製に成功した。
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