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2011 年度 実施状況報告書

薬用植物の活性酸素代謝機構に関する構造生物学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 23590149
研究機関九州大学

研究代表者

森元 聡  九州大学, 薬学研究科(研究院), 教授 (60191045)

研究分担者 玉田 太郎  独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究主幹 (50391248)
安達 基泰  独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究副主幹 (60293958)
研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワードパーオキシダーゼ / モルヒネ / バイカレイン / ケシ / コガネバナ
研究概要

平成23年度はモルヒンパーオキシダーゼ及びバイカレインパーオキシダーゼの大量発現系の構築を行った。モルヒネパーオキシダーゼ(MP-2)に関してはすでにカイコでの発現系の開発に成功しているので、本システムで発現した酵素を精製し、結晶化条件の検討を行ったが、結晶を得るには至らなかった。カイコを用いたシステムでは、配糖化などの翻訳後修飾を受けるので、この反応が結晶化を阻害したものと推定した。そこで、MP-2の大腸菌を用いた発現系の構築を試みた。BL21を用いて発現を行ったが、大部分は不活性な不溶性タンパク質として発現したので、発現タンパク質の巻き戻しを検討した。この結果、ヘミン存在下でシスタミンおよびシステアミンを使用した条件で、活性型パーオキシダーゼに誘導することが判明した。現在本酵素の精製条件を検討している。また、ケシからパーオキシダーゼをコードしていると思われる遺伝子(MP-1遺伝子)をカイコを用いて発現した結果、組み換えタンパクを得ることができたが、モルヒネパーオキシダーゼ活性を確認できなかった。MP-1はモルヒネ以外の化合物を酸化する酵素と推定された。バイカレインパーオキシダーゼについても、2種のアイソザイム(BP-1およびBP-2)の大量調製法の開発を試みた。当初の計画通りカイコを用いて発現を行ったが、いずれの場合も組み換え酵素の発現を確認できなかった。そこで、大腸菌を用いて大量発現系の開発を試みた。モルヒネパーオキシダーゼと同様、BP-1およびBP-2ともに「不活性な不溶性タンパク質として発現したので、ヘミン存在下でシスタミンおよびシステアミンを用いて巻き戻しを行ったところ、パーオキシダーゼ活性を有するタンパク質の巻き戻しに成功した。現在本酵素の精製条件を検討している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成23年度では、(1)バイカレインパーオキシダーゼおよびモルヒネパーオキシダーゼの大量発現法の確立、(2)精製酵素の大量調製(3)精製酵素の結晶化条件の検討(4)結晶の回折実験の4項目の達成を目標としていた。バイカレインパーオキシダーゼに関する研究は、大量発現法の確立に成功しているが、精製が非常に困難で、進捗状況が(2)のステップで留まっているのが現状である。本酵素については、少し実験の進捗状況がやや遅れていると思われる。モルヒネパーオキシダーゼについては(1)大量発現法の確立(2)精製酵素の大量調製(3)結晶化条件の検討まで進めており、達成度は高いと考えられる。

今後の研究の推進方策

申請課題中で最も重要な組み換え酵素の大量発現法の確立には成功しているので、基本的な実験方法を当初の計画通りに進める予定である。しかし、組み換え酵素の精製に関しては、種々のカラムクロマトグラフィーを使用して、精製を試みる。バイカレインパーオキシダーゼ及びモルヒネパーオキシダーゼの大量調製に成功次第、結晶化を行う計画である。結晶に獲得できれば、回折実験、反射データの解析、モデル構築、活性アミノ酸の同定などを行う予定である。特に回折実験以降の操作は日本原子力研究開発機構の研究分担者と連絡を密接にとりながら行う。

次年度の研究費の使用計画

平成24年度では、研究計画に使用する研究費として次の5項目の消耗品を計上している。(1)位相定用試薬(2)蛋白質発現用試薬・器具(3)蛋白質精製用試薬・器具(4)蛋白質結晶化用試薬・器具(5)蛋白質・基質複合体作成試薬 平成24年度は、当初の計画通りこれらの消耗品を使用することによって、申請課題の達成を試みる予定である。

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公開日: 2013-07-10  

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