研究課題/領域番号 |
23590184
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
森川 則文 広島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (30346481)
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研究分担者 |
猪川 和朗 広島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (40363048)
池田 佳代 広島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (30379911)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 臨床 / 感染症 / 抗菌剤 / PK/PD |
研究概要 |
意義:抗菌剤の治療効果の指標として、標的臓器における治療目標達成確率を用い、実際の治療前に治療効果を推定できるコンピュータソフトを作成し、感染症患者の治療効率を向上させることを目的とする.具体的内容:1.リアルタイムTDMシステムの構築研究協力施設において、血液および生体試料を採取するシステムを構築した.薬物濃度測定および解析結果をE-mailにて送付する報告体制を強化し、多施設間でのリアルタイムTDMシステムを確立した.2.PK/PDデータ収集:対象薬剤:抗菌剤:PKデータ収集:血液中および体液中(人工透析液、脳脊髄液、腹水、胆汁、等)の薬物濃度測定は、GC-MS、HPLC(高感度検出器購入)およびEIAにて行った.PDデータ収集: 医薬品の臨床効果を評価できるPD データ(臨床分離菌のMIC分布等) は、研究協力施設・診療科から入手した.各施設で、本研究に対して倫理委員会の承認を得た後に研究を開始し、各種症例数10~20症例のPKデータを統計的に処理し、各薬剤の母集団薬物動態パラメータ(PPK)を確定した.PPKの算出方法には、STS法とNONMEM法を用いた.患者の年齢(小児、成人、高齢者)、病態別(腎機能正常者、腎機能障害患者、肝機能障害患者)に評価した.3.PK/PD研究用コンピュータソフトの開発:患者個々のPKデータを収集し、適応症例のPPKを推定するためのPKとPK/PD解析用プログラムを作成している途中である.研究成果:現在までに構築した臨床患者の標的臓器内の体内動態 (Pharmacokinetics : PK) と治療効果 (Pharmacodynamics : PD) の比較(PK/PD)標的臓器内の母集団薬物動態パラメータおよびPK/PD研究結果を蓄積しつつある.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
抗菌剤の治療効果の指標として、標的臓器における治療目標達成確率を用い、実際の治療前に治療効果を推定できるコンピュータソフトを作成し、感染症患者の治療効率を向上させることを目的とする.この目的を達成するために、現在までに構築した臨床患者の標的臓器内の体内動態 (Pharmacokinetics : PK) と治療効果 (Pharmacodynamics : PD) の比較(PK/PD)研究の体制を全国規模に拡張し、標的臓器内の母集団薬物動態パラメータおよびPK/PD研究結果を蓄積しつつある.データは、順調に蓄積中である.
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今後の研究の推進方策 |
平成23年度に得られた結果を基にして、研究をよりいっそう発展させるとともに、さらに症例を重ねることで、各治療方法と投与量および病態別のPPKを算定し、臨床患者に対する投与量決定に応用する.あわせてデータの収集を行い、常にPPKの追加・修正を行うことで、現行の治療方法の評価と抗菌剤の適正使用を目指し、安全性の高い治療法の確立を図る予定である.
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次年度の研究費の使用計画 |
初年度および2年目の研究をよりいっそう発展させるとともに、さらに症例を重ねることで、各治療方法と投与量および病態別のPPKを算定し、臨床患者に対する投与量決定に応用する.あわせてデータの収集を行い、常にPPKの追加・修正を行うことで、現行の治療方法の評価と抗菌剤の適正使用を目指し、安全性の高い治療法の確立を図る.さらに、PK/PD理論に基づく臨床治療への展開を普及するために、実践者の養成を行い、得られた結果を取りまとめ、成果の発表を行う.
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