研究概要 |
Caco2細胞においてmiR-328の細胞外分泌を超遠心法によるexosome分画の抽出(120K pellet)を行った後、解析した結果72時間後ピークとする分泌を確認した。細胞外分泌の方向は、apical方向への強い分泌であったがbasal方向への分泌も認めた。このことは腸から血液方向へのmiR-328分泌の可能性を示す。分泌されたmiR-328のバイオマーカーとしての安定性を明らかにするためRNaseに対する感受性について検討した。その結果、exosome分画におけるmiR-328はRNase非感受性でありTriton X存在下ではRNase感受性であった。このことから、miR-328はexosome中に存在することでRNaseによる分解を受けなかったと考えられる。 Caco2細胞におけるexosomal miRNAの細胞透過性を検討した。Caco2細胞に発現しておらずかつexosomeに内包されたmiRNAを用いるため、Caco2細胞において発現のないmiR-223を測定対象とし同miRNAは血球由来K562細胞分泌exosomeとして調製した。Caco2細胞の単層膜を作成し、K562細胞由来exosomeをapical・basal方向それぞれに投与し経時的サンプリングし(0, 2, 4, 8, 16, 32, 64 hr)測定した。その結果、分泌はapical側に約5倍傾いていたがbasal側への分泌も認めた。
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