腎移植患者において、酸化ストレス(OS)によってシクロスポリン(CsA)全血クリアランスが低下した。またOSモデルラットにおいて、血中における赤血球移行率、組織分布の増大と代謝能の減弱が認められた。ヒトにおいてもOSによって代謝・分布に寄与する血漿中CsAの量は低下している可能性があり、全血中濃度の評価を再検討する必要がある。肥満モデルラットにおいては、酸化ストレスの動態変動への寄与を特定することは困難であったが、酸化ストレスによる血中分布の変動が初回通過効果に影響し、経口吸収に影響を与える可能性が示唆された。
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